ツールの変遷 に伴い前進を続けます

エレクトロニクス製品開発へ提言を投げかけるAltium Designerの統一設計手法は、 設計の将来において、リプログラマブルなデバイスが設計プロセスを加速化し、インテリジェントなエレクトロニクス製品が短期間で製品化されることに最大限に活用されることを想定しています。Altium Designerへ設計システムを移行すれば生産性の高い統一エレクトロニクス製品開発ソリューションにより、今までにない設計の可能性を引き出せることに確信が持てるようになります。

これはAltium Designerが競合製品またはAltium製品の旧バージョンで使用されていた従来のポイントツールソリューションのユーザーを誘導する最良な手段であるからです。Altiumは個々の業務が円滑に他の設計システムから移行できるように、Altium Designer6のシステム構成と個別機能の開発に対し、重点的に開発資源を投入しています。

Altium Designer は、短期間で設計システムの効率向上と生産性をもたらす多様な機能と情報リソースを備えています。ツールの移行をスムーズに行うためのアドバイスとヒントは次の通りです。

マッピングを概念とするツール

設計ソフトウェアの移行を速やかに行うための重要なタスクは、おそらく正しい観念に基づいてアプローチすることであります。新しいシステムを最大限 に活かす場合、潜在的な障害は、すでに念頭にあるツールの機能で克服できるものと考えます。以前のシステムと新しい機能と比較すること、新しいシステムでは使い慣れた工程や操作が同じ機能を果たさないことに苛立ちを感じるかもしれません。そして異なるアプローチや手法を取り入れようとするのではなく、「心理的な慣性」によりツールを許容しなくなることもあり得ます。

新しいシステムを効率的に使用するためには、ツールを否定するのではなく、互いに協調していかなくてはなりません。正しいキー操作とメニュー項目を理解することは、作業中に習得することができますが、設計システムを掌る基本概念を理解することは、皆様が積極的に習得しなくてはならず、設計ごとに異なる技術こそが、円滑な移行をもたらす秘訣となっているのです。

たとえばAltium Designerの独自な概念は、エレクトロニクス製品開発を完成する統一環境を提供することにあります。 そして統一されたアプリケーションへハードウェア、ソフトウェア、そしてプログラマブルハードウェア設計を盛り込みます。このためAltium DesignerのPCBエディタは、スタンドアロン対応のPCB設計ツールでは見られない機能と概念を備えているため最初は戸惑うかもしれません。統一設計環境をもつ製品の性質を受け入れることが、ツールから生産性をもたらすことにつながります。この設計手法の一体化に隠されている設計手法を取り入れることで、新しい設計の可能性を切り拓き、よりインテリジェントで高品質な製品を従来よりも短期間で製品化することが可能になるでしょう。

あらゆる設計手法を取り入れているエンジニアのために、Altium Designerは、現在の技術スキルを活かしながらも、ハードウェアとソフトウェアを単一の環境にまとめることで、従来の領域を超えた性能を提供します。

最初から実際にPCBへリンクされたFPGAの組込システムを相互的に設計し、実装する準備はできないかもしれませんが、Altium Designerによる設計システムが組込システムを実装できるように設計されている事実を認識することにより、エンジニアは、なぜ特定された工程にある手法を取り入れているのかを理解できるようになり、新しいシステムの習得を短期間で行うことが可能になります。

プログラムとプロジェクト

基本レベルとして注意しておくべき重要な概念とは、Altium Designerは「プロジェクト中心の」環境であることです。Altium Designerで直接編集するために、ディスクリートPCBまたはテキストファイルを簡単に閲覧することができますが、プロジェクト単位の作業では、より効果的なアプローチで行います。

Altium Designerのプロジェクトは、ファイル、リンクまたはセッティングの一式であり、ボードとヘックスまたはビットファイルなど、必要としているファイルを一括して生成します。これら全ての設計データ要素をまとめることで、PCBプロジェクトの場合、*.PrjPcbという形式でプロジェクトファイルを生成します。完成したPCBプロジェクトには、プロジェクトファイル、回路図、プロジェクトライブラリ、ボード、BOMまたはCAMファイルが含まれます。

これが重要な概念となっています。従来のアプローチとは異なり、各設計アプリケーションが固有なオブジェクトセットとコマンドによる個別のドラフティングツールであるため、Altium Designerの統合プラットフォームは、作業中に設計状態を維持しながら接続情報を抽出することでプロジェクトの設計データを変換します。またWordプロセッサと同様に、Altium Designerはエラーやルール違反をしている入力ピンを作業中にハイライトします。このためエラーチェックを作業後におこなうのではなく、小さなエラーにおいては、発生した時点で修正を行うことができます。

Altium Designerは設計のコンパイルを行うことでメモリー内の完全なコネクティビティを維持します。これによりコンポーネントまたはそのコネクティビティ関連への即時なアクセスがもたらされます。この巧妙でパワフルな機能は、設計を実現すると同時に新しい効用を生み出しています。たとえば、ショートカットを押しながらワイヤー上をクリックすると、シート上にあるネットがハイライトされ、Navigatorによる設計全体においてバスのトレースを行うことができます。同じく、ショートカットを押しながらNavigator内のコンポーネントをクリックすると、回路図内とPCB上の中央前方方向にネットが表示されます。これは設計環境がもたらすプロジェクト中心な例の一部であります。

ヒント: Altium Designerは相互的な設計ナビゲーションのようにコネクティビティに準じて実行する前に設計を自動的にコンパイルします。またプロジェクトメニューで適したアイテムを選択することにより、コネクティビティモデルの更新を確かめるためにプロジェクトをマニュアルでコンパイルすることも可能です。
ヒント:プロジェクトをコンパイルする際に、警告やエラーを引き起こす条件を管理することができます。プロジェクトを開く場合は、メニューから プロジェクト>プロジェクトのオプションを選択し、 エラーのレポート接続マトリックスのタブを選択してください。

こちらに関する詳細は、Altium Designerプロジェクト または Altium Designerプロジェクトのコンパイルをご参照ください。

作業スペース

別の便利な概念として、Altium Designerの統合環境と作業スペースがあります。 この環境をご自身で確かめるためには、プロジェクトを開いてください。Altium DesignerはAltium Designerインストールダイレクトリー内の\Examplesフォルダに多大なプロジェクトサンプルを保存しており、DXPメニューには編集と作業環境を設定するコマンドがあります。

Altium Designerの作業スペース内でプロジェクトを開くと、プロジェクトパネル内にプロジェクト内のファイル一式が表示されます。各ファイルを開くと、複数のタブがあるウェブブラウザーと同じ方法で各タブ内に表示されます。そして回路図シートからPCBへ切り替えるためにタブをクリックすると、異なる編集環境に対応するメニューとタブバーへ自動的に変換します。

Altium Designerの作業スペースは異なる設計間の編集をシームレスに行えるよう特別に設計されており、設計システムを統合しています。

ヒント: Altium Designerの作業スペースは自由に設定が可能です。すべてのメニューとツールバーは、ポップアップ メニューのカスタマイズを選択後、メニューまたはツールバー上を右クリックすると設定の変更ができます。

こちらに関する詳細は、Altium Designer環境をご参照ください。

設計ファイル

新しい設計環境へ移行する際に必要なタスクは、新しい環境で作業を行う既存の設計ファイルをインポートすることです。また必要に応じて、既存の設計ファイルを参照または更新する必要があります。Altium Designerは、ファイルメニューから起動できる、単一で多彩な機能をもつインポートウィザード内で生成されたすべてのファイル向けにインポートプロセスを統合することでプロセスを簡潔化しました。このウィザードは、多様な設計ファイルを抽出するプロセスを経て、Altium Designerプロジェクトへのインポートを行います。

すべてのECADツールは、各回路図または全回路図をひとつのファイルへ、またPCBは別のファイルへと、選択したデータやファイルを個別に保存します。

Altium Designerのインポートウィザードを用いてファイルを移行したように、CrCAD®またはPADS®などの外部設計ツールで生成された回路図、PCB、ライブラリファイルもインポートすることが可能です。

ヒント:インポートウィザードは、単一Altium Designerプロジェクトを一操作で生成し、OrCAD回路図とPADS PCBファイルをソースとした設計ファイルを合成します。
ヒント: 選択したインポート オプションとして、ASCII形式のファイルが必要となる場合はウィザードに表示されます。

別の環境へ設計を移行することは、オブジェクトのマッピングと新しい設計スペース内へのオブジェクトの配置という複雑なプロセスを必要とします。インポートのプロセス中に、完全に解決できない複雑な相違点が避けられないこともあります。しかしマッピングが十分でない場合は、ログファイルへ記録されます。

インポータにより回路図とPCBを供給することが可能になり、既存の設計を再現します。Altium Designerはインポートプロセスを完了すると、生成されたプロジェクトに転送された回路図とPCBを取り込みます。

Protel 99 SEOrCADまたはP-CADからの移行に関する詳細はこちらをご参照ください。

ライブラリ

ライブラリは、設計において重要な役割を果しており、新しい環境へ確実にインポートされなくてはなりません。各コンポーネントを慎重に検証し、苦心 の末に構築された設計ライブラリは、個別な設計ファイルより重要なものとなります。つまり、新しい設計環境にて直ちに使用しなくてはならないからです。

ライブラリ内のコンポーネントには一般的に、シンボル的な情報ではなく、コンポーネント パラメータ、データシートリファレンスまたは企業データなどの広範囲なデータが含まれています。また在庫管理や購買データーベースなどの企業データが、他 の企業システムと同じ場合、旧来のツールからAltium Designerへの移行がより重要なります。

Altium Designerでは、インポートウィザードによりライブラリがインポートされます。一般的にプログラムの設計ファイルに対応しているライブラリがインポートされます。ライブラリの構成においては、各設計ソフトウェアベンダーがライブラリコンポーネントを独自に定義する手法を得ることになります。またコンポーネントを標準化するテーブル記入項目に表形式なアプローチを取り入れるとシンボルに準じて、シンボルやPCBフットプリントを参照します。

Altium Designerでは多様なライブラリ形式をシームレスに変換することから、インポートしたコンポーネントを再確認することをお勧めします。またAltium Designerのインポートウィザード内に最適なオプションを選択する、ライブラリとライブラリ情報を保存する手法についてより理解することもお勧めします。

Altium Designerはコンポーネントの定義にふたつのアプローチを取り入れています。1点目でのアプローチでは、フットプリント、シミュレーション、3Dまたはシグナルインテグリティのモデルのコンポーネントとリファレンスが追加されました。 またコンポーネント、データシート、企業情報など必要なパラメータを制限なく追加することができます。

もう一方のコンポーネント定義に対するアプローチは、各コンポーネントの記録として外部データーベースを使用することです。ここでは、コンポーネント、データシート、企業情報などの関連パラメータをはじめ、Altium Designerシンボルとフットプリントモデルのリファレンスが記録されます。その記録にはボード設計と関係のないデータを記録することもできるため、必要なフィールド間のマッピングと配置されたコポーネントをデータベースに保存することができます。マッピングファイルは、Altium Designerではライブラリとしてインストールされるため、データーベースに直接目を通し、コンポーネントの選択と配置を行うことができます。

ヒント: Altium Designerは回路図プロジェクトまたはPCBファイルから生成されたライブラリを容易に構築します。

Altium Designer コンポーネントデーターベースライブラリまたはコンポーネントの移行に関する詳細はこちらをご参照ください。

広範囲にわたる企業システムの統合

エレクトロニクス製品開発の本質は、複数の設計を孤立させないことにあります。一般的に情報はコンポーネントの一部として企業システムから設計へ入力され、回路図はPDFファイル、PCB製造/組み立てに関するデータはCAMファイル、そして購買/製品はBOMとしてツールの外部へ出力されます。特定情報にはこれ以外にも、ハンドブック向け回路図の断片、組み立て製図のコンポーネントオーバレイヤの詳細または回路内試験セットアッププロセスのレポートなど、要求が多く求められています。

設計から企業システムへ再び入力できる形式のアウトプットを生成するために、Altium Designerはレポートエンジンをカスタマイズでき、回路図またはPCBから情報を抽出し、異なる形式でアウトプットします。この機能は、Excel形式のBOM、ファイルの選択/配置、またはCSV形式で回路図内試験セットアップレポートを行う際にも活用できます。数多く存在するレポートとアウトプットファイルを管理するために、これらのジョブセットアップはOutputJobファイルに保存されています。

さらにAltium Designerの回路図とPCBエディタは、他のWindowsアプリケーションへ設計データのコピー&ペースト行うWindowsクリップボードをサポートしています。また設計を閲覧するチームに実用的な形式でもありインテリジェンスなPDFの作成ツールを備えているため、回路図とPCBのホットリンクのPDFファイルを作成することができ、設計内の各コンポーネントとネットにブックマークを付けることも可能になります。

BOMの生成とOutputJobファイルの編集関する詳細はこちらをご参照ください。

将来への移行とは?

使い慣れた設計ツールから新しい設計ツールへと移行することは容易ではありませんが、移行するだけの価値があります。これを成功させるためには、初期費用ばかりではなく、それ以外にも投資する必要があります。このためには、新しい設計ツールの習得し、ライブラリと設計の移行を行い、そして広範囲に及ぶ企業プロセスとシステムが適応するまでにしばらく時間が必要となるでしょう。

また皆様の思考も新しい設計ツールに適応することが求められます。まず設計ツールがどのような機能を備えているかに注目し、それからAltium Designerとの相違点に着目すると、結果的に良い効果をもたらすことになります。

Altium Desingerは、組込ソフトウェア、FPGA開発、そしてPCB設計を含む、エレクトロニクス設計に必要なすべてを備え包括的でパワフルな設計環境を提供します。このアプローチを導入する際は、各コマンドのガイドまたはトピックを検索するナレッジセンターをご活用ください。また同製品を使用する熟練の技術者のアドバイスが得られるユーザーフォーラムなどの豊富なリソースもご活用ください。またマウスボタンやウィールをさまざまに動かすことで新しい設計ツールを体験してください。操作を誤ってしまった場合は、プロジェクトパネル内にあるドキュメントまたは作業スペースにあるオブジェクトを右クリックすることで、必要な機能を探し出してください。

Altium Designerと統合設計環境が持つ潜在的能力を使い慣れた頃は、新しい設計への可能性を瞬時に理解することになるでしょう。これにより、自信をもって将来へ移行することができるようになり、短い期間内でインテリジェンスな製品を設計することを可能にします。