Altium Designerは、遠隔操作による捜索救助作業を目的とした自律円形全翼機「Flying Wing」用の革新的なエレクトロニクス技術を装備するために使用されています。
奈良県に所在する奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)は、科学技術の進歩と社会の発展を目的とする研究と研究員の養成を行っています。高度な研究活動で知られるNAISTの情報科学研究科では、ウィリアム・リーケン氏(博士課程)により、遠隔操作が可能で捜索救急作業向けにシステム設計された、無人偵察機(UAV)の革新的な研究が行われています。
この高性能なUAVは、翼が楕円形に設計されており、ビデオカメラ、情報収集、飛行システムなどをコントロールする複雑な電子機器を搭載しています。 Altium Designerは、このような複雑なプロジェクトをスケジュールどおりに進行させることができるよう支援しています。そして、博士課程の研究員と他学生による研究室が、開発期間を大幅に短縮しながら、次なる設計段階へ発展させることを実現してくれました。
リーケン氏の捜索救急作業向けUAVのプロジェクト発端は、1995年に発生し、6,000人以上もの死者を出した阪神・淡路大震災の衝撃的な災害でした。
この際、操縦者の生命を危険にさらさず、迅速に配備でき、視覚機能も備えた捜索救急作業向けシステムの必要性が求められました。この要求に応えるための航空分野の開発は多岐に渡り、設計の重要な部分で専門的なソフトウェアを使用することが、チームにとって大きな課題でした。このプロジェクトの複雑なエレクトロニクスには、主にFPGA組み込みシステムを採用し、システムコントロールを高速に処理しています。実行するこれらのソフトウェア開発には、互換性のあるハードウェア開発ボードが必要となります。このように各設計プロセスが独立した設計開発ソリューションでは、ハードウェアとソフトウェア間の制約や、数多い設計ツールの習得が障害となり、より多くの開発期間を費やす結果となります。
このプロジェクトに適用できるエレクトロニクス開発用ソリューションを探していたリーケン氏は、Altiumのベンダを限定しないFPGA開発ボードNanoBoard-NB1や、統合されたエレクトロニクス製品開発システムを提供するAltium Designerの優れた機能に衝撃を受けました。今では、リーケン氏と彼のチームは、すべてのエレクトロニクス製品開発において、このシステムを使用しています。
この研究室では、研究者が使い易いように設計環境が統一されたAltium Designerを適用することで、ハードウェアと組込みソフトウェアの設計を行うことが可能になりました。そして、最新のFPGAデバイスをドータ・ボードに搭載し、脱着交換が可能なAltiumのテスト装置と、FPGA内部に組み込まれる計測器を使ったLiveDesign 手法により、実際の動作をリアルタイムでテストしデバッグすることが容易になりました。設計者は、使用するIPコアとソース・コードを、Altium Designer が提供するIPロジック・ブロックとプロセッサによる回路図レベルで、Verilog、VHDL、C言語を使用したプロジェクトを、FPGAに直接インプリメントすることが容易に達成できました。
設計環境が統一されたエレクトロニクス製品開発システムを使用することで、リーケン氏と彼のチームは、性能を向上させると同時に設計の修正が簡単に行えるソリューションにより、プロジェクトの開発効率を向上させることができました。たとえば、UAVに搭載されたFPGAと1GHz DSPから構成されるトランスミッタへのデータのアップロードおよびダウンロードの速度が2倍以上となり、システムのビデオ・エンジン・バックボーンのデータ転送速度も同様に1GBへと改善されました。リーケン氏によると、今までは数日または数週間かけていたFPGAの組み込み設計が今では数分で完了することができ、彼のチームメンバーである学生たちも、LiveDesign の利便性とその速さに驚いています。そして自分の作成した彼らのデザインをFPGAへ移植することに意欲を示しています。
プロジェクトは今では、テスト済みのプロトタイプ・ユニット、テレメトリ、そして飛行システムの制御など、今や実在する形に変わりつつあります。捜索救急作業向けUAV開発の最終段階は、搭載したカメラからの高速転送によるデータのアップロードとダウンロードをリンクし、ビデオ信号を処理することにより、360度全方位の視覚システムで飛行制御する観測者のバーチャル視覚システムを装備することです。さらに、自動衝突回避用レーダー警報装置やレーザ光線による着陸システムなどの機能が拡充されます。
この研究プロジェクトは、世界中から非常に高い興味が寄せられております。まさにAltiumは同乗して飛行しているようなものです。
リーケン氏のすばらしい自律飛行円形翼とフライトデモストレーションをご覧になりたい場合は、NAISTリーケン氏のウェブサイト www.aist-nara.ac.jp/~riekenで確認いただけます。またNAISTの詳しい情報は、 www.aist-nara.ac.jpでご覧いただけます。
「Altium LiveDesignは、FPGAエンジニアリングのすべての分野において卓越したツールです。以前はFPGAのシステム開発に何ヶ月もかかりました、しかし今では一週間で完了することができます。またAltium Designerは、プロジェクト期間を短縮し、スケジュールどおりに完了させることを実現させてくれました。」
ウィリアム・リーケン
情報科学研究科
奈良先端科学技術大学大学院
日本