University of Toronto

トロント大学航空宇宙研究所の宇宙飛行実験室(UTIAS/SFL)は、Altiumの技術を使い次世代の宇宙工学技術者を育成しています。

Altium Designer がなければ、低コストの宇宙ミッション特有の厳しいスケジュールとコストの制約に対処することはできなかったでしょう。
低コストの宇宙ミッションでは、迅速な建設やテストが成功に不可欠です。Altium Designerにより、迅速な問題解決と設計サイクルの削減を達成し、同じ期間でさらに多くの衛星を開発することが可能になりました。

- Robert Zee氏、
トロント大学 宇宙飛行実験室長

ニーズ

エレクトロニクスの分野においては、設計の短縮や高度化以上に重要なものはありません。これはほとんどの技術者の見解であり、トロント大学航空宇宙研究所の宇宙飛行実験室(UTIAS/SFL)の学生グループを奮い立たせる意見です。このグループの目標は、高度な小型衛星(10キロ以下の衛星)を次々と開発して、新たな宇宙技術開発を促進し、開発速度を速め、宇宙開発コストを削減することです。

CanX(Canadian Advanced Nanospace eXperiment)プログラムの目標は、高性能な宇宙ミッションのための革新的で、コスト効果の高い衛星を開発し、高度な宇宙研究と宇宙探検を行うことです。学生は最長3年まで衛星開発に打ち込み、その設計プロセスのあらゆる面に参加します。厳しいスケジュールと予算により、UTIAS/SFLの学生は人為的ミスの最小化と設計サイクルの削減に高い意識を持っています。

チャレンジ

完成予定の最新プロジェクトは、10×10×34cmで重さ3.5キロの衛星「CanX-2」です。驚くほどのエレクトロニクスが集積されたこの衛星は、新しい推進システム、カスタム無線、コンピュータ、高度センサとアクチュエータ、デュアルバンドGPS受信機などの重要な実現技術を実証します。また一方、これらの技術は重要な宇宙研究を実施するだけでなく、UTIAS/SFLの学生が今後のCanXミッションで利用する技術の改良にも役立ちます。

加えて、CanX-2には異なる電子サブシステムがいくつかあります。これには、様々なデジタルRF信号システム、アナログRF信号システム、混合信号システムが含まれます。器具類、コンピューティング(デジタルIO)、無線(通信)、パワーエレクトロニクスや科学機器などは、すべてUTIAS/SFLの学生が設計と開発を行います。さらなる挑戦として、これらの高度サブシステムも、CanX-2に搭載される他の大学の実験装置と厳しい設計制約を共有しなければなりません。

ソリューション

宇宙工学の未来のために学生をトレーニングするにあたっては、特定のツールを極めるよりも、エレクトロニクス設計の原則を学ぶことの方が学生にとっては重要です。Altium Designerは、使いやすい単一のシステムで、様々な設計原理を統一的に学習できるので、異なるポイントツールの習得に要する手間を省くことができます。学生はAltium Designerのウィザードやツールを簡単に使用することができます。例えば、学生が頻繁に使用するもののひとつに、IPC(Institute for Printed Circuits)フットプリントエディタがあります。このウィザードによって、学生は自分用のIPC標準コンポーネントを10分足らずで新規に作成でき、手動でフットプリントを作成するより時間をはるかに節約できます。

設計要件が厳しいということは、学生は配線においても、大きな課題に直面し、利用可能なボードスペースを最適化するために独創的に考えなくてはなりません。Altium Designerのインタラクティブ配線機能によって、ルールドリブンの汎用インタラクティブ配線モード、予測トラック配置、最適化接続などが組み合わされ、プロセスが自動化されます。学生は、忍耐が必要な、ときにはエラーが生じがちなボードの手動配線から解放されます。結果、基本的な機能のインプリメンテーションを心配することなく、革新的な設計、かつ最終製品の性能の改善に専念できます。

結果

CanX-2はやりがいのあるプロジェクトであり、UTIAS/SFLの学生は、宇宙設計のコストと時間制限の問題解決に成功してきました。Altium Designerが利用できるので、学生が1つか2つの設計サイクルだけで設計を終えてしまうのは珍しいことではありません。Altium Designerのデザインルールなど、プロセス自動化の様々なツールを使用することで、学生はボード作成の問題を大幅に減らし、予算とスケジュールを維持することができます。つまり、UTIASの学生は、宇宙探検をより手頃なコストでさらに身近なものにするという目標を維持することができるのです。

プロジェクトについて

CanX(Canadian Advanced Nanospace eXperiment)は、次世代の宇宙工学技術者にトレーニングを行うことを目標とする衛星プログラムです。約12名の学生チームが、学位取得の一環として小型衛星の設計と開発に2~3年の年月を費やします。衛星プロジェクトはそれぞれ宇宙研究の新たな技術をテストし、さらに小型で安価な衛星に向けて高性能宇宙ミッションを開拓します。CanXプログラム継続の一部として、BRITE衛星(CanX-3A、CanX-B、CanX-C、CanX-D)およびCanX-4とCanX-5が2009年に打ち上げられます。

大学について

トロント大学は1827年に設立され、世界の名門校の1つです。トロント大学には数多くの学部や大学院の課程があり、それらは17の専門施設でサポートされています。所在地はオンタリオ州にあり、学生数は70,143名、卒業生は422,000名を超えます。

トロント大学の詳細についてはhttp://www.utoronto.ca/、CanXプログラムの詳細についてはhttp://www.utias-sfl.net/をご覧ください。