
「電気系設計、機械系設計、ソフト開発の業務フローをそれぞれ標準化していった時に、電気系CADに要求される仕様を満足していたのがAltium Designerでした」
上村 透 氏
オプテックス株式会社
執行役員
技術開発本部長
オプテックス株式会社ではかつて、事業部門ごとに電 気設計ツール(電気系CAD) を導入し、回路設計に利 用していました。設計ツールを使いこなすことで設計効 率を高めていました。しかし企業全体でみると、必ずしも設計の効率が上がっているとは言えない面があります。導入した電気系CAD ツールが事業部門ごとに違っていたからです。設計ツールが違うと、回路図データを事業部門間で再 利用しにくいという問題が生じます。類似の回路を設計しているにもかかわらず、回路図を再利用しないので、設計工程に余分な工数がかかってしまう。個別に最適化していても全体では最適化されていない。こういった状況が無視できなくなってきました。また現在では、鉛フリー化を始めとする法規制対応に 代表されるように、設計以外の業務が設計部門にとって無視できない比率を占めるようになっています。事業部ごとに法規制に対応していたのでは非効率的です。さらに、かつては電気系CADが単独で使われていましたが、機械系CADや製品データ管理(PDM)ツールなどとの連携が業務を効率化する重要な手段となってきました。この時に電気系CADや機械系CADが何種類も混在しては、ツール間連携の手間は非常に煩雑になってしまいます。そこでオプテックスは、これまで部門ごとに違っていたCADツールを統一して全社的な情報システムを構築し、設計や生産などの業務の効率を高めることにしました。目標は「設計の効率を従来の2倍に高める」ことです。
全社的な情報システムを構築するまでの道のりは短くありません。まず始めに、情報システムの土台となる電気系CADと機械系CAD、ソフトウエア開発環境の標準化に取り組みました。その中で全社標準の電気系CADとして選ばれたのが「Altium Designer」です。標準の電気系CADには、回路図エディタと回路パターン設計、部品表出力の機能を備え、これら3点の出力が一致していることが要求されました。またPDMツールとのインタフェースを標準で備えていること、設計現場への導入が容易であること、国内外の生産工場とデータでやり取りできること、などが重視されました。これらの要件を完全に満たしていたのが「Altium Designer」でした。Altium Designerで注目すべきは、データベースとのインタフェースを標準で備えていることでした。この機能 を標準で装備している電気系CADツールは、オプテックスが候補に選んだCADの中でAltium Designerだけだったのです。
オプテックスが全社標準の電気系CADとしてAltium Designer を導入したのは、 2007年3月のことです。 といっても、CADを導入しただけで設計の効率が上がるわけではありません。設計業務そのものを標準化する必要があります。そこでオプテックスは続いて、標準的なルール作りに取り組みました。回路図の図枠の作り方、部品電極の表示方法、部品表のデータベースからの取り出し方などです。同時に、部品のライブラリを構築していきました。
現在は、Altium Designerを使うための標準ルールが 完成し、回路図データを事業部間で再利用できる環 境が整い、新規の設計にはすべてAltium Designerを使用しています。 設計業務の標準化に続いては、 設計部門と他部門との連携が課題となってきます。生産部門との連携では、従来は設計者が生産工場で量産立ち上げまでをサポートしていました。今後は生産工場がAltium Designer を導入することで、 設計部門と生産工場の間で回路図データや部品表などを人手を介さずに受け渡すとともに、設計者が サポートする範囲を狭めて次期品種の設計に早期に取り組めるようにします。量産前試作までが設計者の 担当範囲で、それ以降は生産工場のスタッフが担当する、というように切り分け、効率を上げています。
オプテックス株式会社の注力事業分野は、「セキュリティ」と「エントランス」です。いずれも、海外市場での今後の成長が大いに期待できる分野です。「セキュリティ」分野の代表的な製品は、赤外線式の侵入検知センサです。近年、急速に市場の拡大している屋外センサ市場においては、世界で30%以上のシェアを持つトップメーカーです。空港、鉄道、大規模プラントをはじめとする重要施設等に多く採用されています。「エントランス」分野の代表的製品は、自動ドア起動用センサです。国内シェア50%、ドアセンサのトップメーカーです。年々高まる安全に対するニーズに応えるべく、安全性を向上させたセンサの開発と普及に取り組んでいます。
オプテックス株式会社は、赤外線技術と画像処理技術を中核とする技術集約型の先進企業です。それま で赤外線技術の応用は、医療分野や軍事分野が主体でした。オプテックスは赤外線技術の応用分野を 民生分野に広げるため、1979年に設立されました。現在では「セキュリティ」、「自動ドア」、「産業機器」、「環境監視」、「交通関連」の五つの分野で最先端の製品を開発、供給しています。売上高の約半分 を占めるのは「セキュリティ」分野で、主力製品は防犯用赤外線センサです。次いで「自動ドア」分野が 売上高の約20%を占めています。主力製品はドア用赤外線センサです。最近では、センサ技術と画像 処理技術を組み合わせた高度なセンサソリューションも開発しています。「産業機器」分野は売上高の 20%弱を占めており、工場の生産ラインに使われるセンサを主力製品としています。
オプテックス株式会社様に関する詳しい情報は、http://www.optex.co.jpをご覧ください。