プロジェクト管理

Altium Designer のプロジェクトとは

Altium Designer でデザインを行う為のスタートは、プロジェクトの作成です。Altium Designer のプロジェクトは、一つの実装の為に出力などの定義を行ったデザイン ドキュメントのセットです。例えば、一つのプリント基板を製造する為に必要なファイルセットを含んだ PCB プロジェクトには、基板回路図と PCB が含まれています。また、一つの FPGA デバイスに書き込みを行う為に必要なファイルセットは、論理回路図や HDL を含む FPGA プロジェクトから出力されます。

プロジェクト ファイルの役割 (プロジェクト オプション)

プロジェクトを構成しているデザイン ドキュメントのセットは、プロジェクト ファイルにリンクが記載されています。更に、プロジェクトファイルには、プロジェクトに含まれている各ドキュメントのリンクはもちろん、プロジェクトに関連する全てのオプション設定が記載されています。プロジェクトに含まれている各ドキュメントのリンク先は、プロジェクトと同じフォルダに含まれている場合は相対パスでリンクされ、異なるフォルダに含まれている場合は絶対パスでリンクされています。プロジェクトから生成される出力ファイルもまた、プロジェクトファイルでリンクされています。
保存されるプロジェクト オプションのセットは、プロジェクト タイプに依存します。

Projects パネル

Altium Designer で最も使用するパネルは、Projects パネルです。Projects パネルでは、プロジェクトを見ることができます。

新規プロジェクトの作成

新規プロジェクトを作成する方法は1つ以上あります。

• ファイル メニューからドリルダウンして新規プロジェクトを作成します。
  

  図1.　ファイル メニューをドリルダウンし、新規プロジェクトを作成します。

• Files パネルの 新規作成 のメニューをクリックします。もし、Files パネルが開いていない場合は、メインウィンドウの右下にあるボタンから、System ボタンをクリックし、Files を選択します。
  プロジェクトを新規作成した場合は、新規プロジェクトファイルが表示されるだけで、保存されていませんので、保存 や プロジェクトに名前を付けて保存 コマンドを使用し、保存先のディレクトリとプロジェクト名を指定する必要がありますので、ご注意ください。
   

  図2. Files パネルから新規プロジェクトを作成します。

• DXP ホーム (表示 » DXPホーム) の タスクを選択 から関連するデザインエリアを選択し、new blank project をクリックし、新規プロジェクトを作成することもできます。

既存プロジェクトを開いたり、新規プロジェクトを作成した場合、Projects パネルが表示されます。プロジェクトに既存のドキュメントが追加されていたり、新規ドキュメントをプロジェクトに追加することもできます。その場合、ファイルタイプにより、サブフォルダの下に表示されます。

注意: FPGA プロジェクトやコア プロジェクト、そして、エンベデッド プロジェクトのファイル名にはスペースを入れないようにしてください。

プロジェクトに対するドキュメントの追加と削除

プロジェクトを作成し、場所を指定して保存するとデザインドキュメントの追加ができるようになります。新規ドキュメントや既存ドキュメントをプロジェクトに追加する一番簡単な方法は、Projects パネル内でプロジェクト名をクリックし、新規ドキュメントをプロジェクトに追加 もしくは、既存ドキュメントをプロジェクトに追加 メニューを使用する方法です。
また、プロジェクトに関連する Word® ファイルや Adobe® PDF などのドキュメントも追加できます。ドキュメントの追加方法は同じですが、Choose Document to Add ダイアログで全てのファイルが見えるように、ファイルの種類を All Files (.) にしておく必要があります。

プロジェクトへの変更

現在編集中のドキュメントは、パネル内でアクティブなドキュメントとしてハイライトされています。図4 をご覧ください。アクティブドキュメントと同様にアクティブなプロジェクトがハイライトされています。アクティブなプロジェクトに対して、プロジェクト メニューからコマンドを使用して様々な変更を行うことができます。編集の為に複数のプロジェクトを開いている場合、選択したプロジェクトに対して関連するコマンドを実行する一番簡単な方法は、Projects パネルにてプロジェクト名を右クリックし、関連コマンドを実行する方法です。プロジェクト名を右クリックすると、メニューが表示され、アクティブなドキュメントがそのプロジェクトに関係していようがいまいが、プロジェクトに特化したコマンドを実行できます。図4 は、エンベデッド プロジェクトのドキュメントがアクティブになっていますが、PCB プロジェクトを右クリックし、PCB プロジェクトで実行可能なメニューが表示されています。

ドキュメントの順番

ソースドキュメントなどのグループ内のドキュメントはデフォルトで、プロジェクト追加された順番で表示されます。フォルダ内でドキュメントの表示する順番をかえるには、クリックし、ドラッグ アンド ドロップで表示させたい場所を指定します。プロジェクトをコンパイルするとソース ドキュメントはデザインの階層で表示されます。
パネル内でドキュメントをドラッグすることで階層化させることはできませんのでご注意ください。プロジェクト内の階層は、下位階層のシートをシートシンボル化する事で関連付けできます。

プロジェクト ドキュメントの管理

Projects パネルには、各ドキュメントの保存場所が表示されない点をご注意ください。Project Paneru niha、プロジェクトに関連するドキュメント名が表示されているだけです。ドキュメントの保存場所や管理については、お客様次第です。会社の共有フォルダに保存することもできますし、お客様ご自身の PC に保存することもできます。Altium Designer のバージョン コントロール機能を使用して、サーバ上の編集可能なレポジトリを使用してドキュメントのチェックを行うこともできます。

プロジェクト間におけるドキュメントの共有

各プロジェクトのドキュメントは複数のプロジェクト間で共有しリンクさせることができます。例えば、標準的な電源回路のシートを複数の製品で使用することもあります。また、デザインの一つのセクションとして個別にシミュレートを行うこともできます。

新しい名前でドキュメントを保存

名前を付けて保存 コマンドを使用することで、ドキュメントに新しい名前を付けて保存することができます。これは、名前を変更する為のコマンドではないことにご注意ください。名前を付けて保存 コマンドを実行した後には、新しい名前のドキュメントと元もとの名前のドキュメントが共にマシンに保存されています。名前を付けて保存 コマンドを実行することでプロジェクトも更新されます。 名前を付けて保存　コマンド実行後もプロジェクトに新しい名前のドキュメントが関連付けられています。もし、プロジェクトに反映するのではなく、バックアップとしてドキュメントのコピーを行いたい場合は、コピーに名前を付けて保存 コマンドをご使用ください。
ドキュメントが2つのプロジェクトに属していて、名前を付けて保存 コマンド を実行した際、2つのプロジェクトが開かれている場合には、2つのプロジェクトにドキュメント名の変更が反映されます。
ドキュメントに対して、名前を付けて保存 コマンドを実行した場合に、新しいディレクトリにドキュメントが保存されるだけであって、プロジェクトの場所を移動できるわけではありませんのでご注意ください。プロジェクトの保存場所を変更したい場合は、プロジェクトファイル自体を新しい場所に保存しなおす必要があります。その場合、プロジェクトに属しているドキュメントに対する全てのリンクが更新されます。Projects パネルはファイル管理を行う為のものではありません。

プロジェクト ファイル 管理 - ストレージ マネージャ

Altium Designer のストレージ マネージャ機能を使用することでプロジェクト内のファイル管理を行うことができます。ストレージ マネージャは、右下の System ボタンをクリックし、ストレージ マネージャ を選択することで ストレージ マネージャ パネルへアクセスすることができます。ストレージ マネージャを起動すると、アクティブなプロジェクトのフォルダやファイルが表示されます。

参照