統一したカーソル-スナップ システム (PCB)

カーソルスナップは、画面上の物理的なマウスカーソルのピクセル位置が、PCB のような設計ドキュメントの座標空間で '論理的なカーソル' 位置をドライブするプロセスです。その目的は、ユーザが高解像度でこれらを指定しないで、座標に論理的なカーソルを配置できるようにするためです。コンポーネントピンを異なるミリやインチグリッドで配置する変わりやすいジオメトリのボードでは、この機能は役立ちます。現在まで Altium Designer では、一般的な Cartesian (長方形)のグリッドで Electrical Grid を使用してこの目的を解決しました。Electrical Grid は、仮想的なグリッド位置として使用するための重要なオブジェクトの位置(ホットスポット)を利用し、ジオメトリの問題を解決します。

Altium Designer Release 10 では、Unified Cursor-Snap System でこれを解決します。このシステムには、カーソルを目的の座標にスナップするための3つの異なるサブシステムがあります: Cartesian(長方形)と Polar(放射状)の両方利用できる User-Definable Grids; オブジェクトを整列するために配置できる Snap Guides; オブジェクトのホットスポットにカーソルを引き込む Snap-Points。これらの機能の組み合わせを使用して、PCB ワークスペースでのオブジェクトの配置や整列でスナップします!

システムのアクセス

サブシステムやコントロールに関して、Unified Cursor-Snap System へアクセスするには、編集領域の右下にある Snap ボタン(Mask Level ボタンの左)から実行します。このボタンをクリックすると、下図や以降の概要を示すコマンドメニューが表示されます。 

Snap ボタンは、Unified Cursor-Snap System に関連
するコマンドメニューを表示できます。
  • Grids – このコマンドは、ボードのデフォルトスナップグリッドと同様に、ローカルのカスタマイズしたグリッドを定義、管理できる場所から Grid Manager ダイアログを表示します。 
  • Guides – このコマンドは、ボードの手動によるスナップガイドやスナップポイントを定義、管理できる場所から Snap Guide Manager ダイアログを開きます。 
  • Snap To Linear Guides – このコマンドは、配置したリニア Snap Guide へカーソルを手動でスナップするかどうか切り換えるために使用します。そのコマンドは、この特定のサブシステムが有効である時、チェックされます(Board Options ダイアログの Snap To Linear Guides オプションに相当します)。
  • Snap To Point Guides – このコマンドは、配置したポイント Snap Guide へカーソルを手動でスナップするかどうか切り換えるために使用します。そのコマンドは、この特定のサブシステムが有効である時、チェックされます(Board Options ダイアログの Snap To Point Guides オプションに相当します)。 
  • Snap To Grids – このコマンドは、ボード用に定義したグリッドへカーソルをスナップするかどうか切り換えるために使用します。そのコマンドは、この特定のサブシステムが有効な時、チェックされます(Board Options ダイアログの同じ名称のオプションに相当します)。 
  • Snap To Objects (Single Axis) – このコマンドは、配置したオブジェクトのホットスポットを通して作成された整列ガイドへカーソルをスナップするかどうか切り換えるために使用します。そのコマンドは、この特定のサブシステムが有効である時、チェックされます(Board Options ダイアログの Snap To Object Axis オプションに相当します)。 
  • Snap To Objects (Dual Axis) – 本質的に、従来の Electrical Grid であるこのコマンドは、配置したオブジェクトのホットスポットへ同時にクローズ(x と y 軸の両方で)する時、このようなホットスポットへカーソルをスナップするかどうか切り換えるために使用します。そのコマンドは、この特定のサブシステムが有効である時、チェックされます(Board Options ダイアログの Snap To Object Hotspots オプションに相当します)。 
  • Include Near Aligned Objects – このコマンドは、有効なオブジェクトのホットスポットの横、または縦軸にカーソルを合わせている時、隣接するどのオブジェクトを使用するか切り換えます。これは、システムが生成した整列ガイドを使用して整列したカーソルを、1つの軸のオブジェクトへスナップします(Board Options ダイアログの Near Objects オプションに相当します)。 
  • Include Far Aligned Objects – このコマンドは、有効なオブジェクトのホットスポットの横、または縦軸へカーソルを整列している時、遠くにあるどのオブジェクトを使用するか切り換えます。これは、システムが生成した整列ガイドを使用して整列したカーソルを、1つの軸のオブジェクトへスナップします(Board Options ダイアログの Far Objects オプションに相当します)。 
  • Advanced Snap Options – このコマンドは、Board Options ダイアログへアクセスします。また、ここでは様々なカーソルスナップ サブシステムを有効/無効にできます。1つの軸のオブジェクトスナップについて、異なるオブジェクトタイプをどのように Snap-Point ソースとして使用するかコントロールする詳細オプションをダイアログに表示します。 

ユーザが定義できるグリッド

Main article: Grid Manager (PCB)

多くのユーザが定義できるグリッドは、Grid Manager ダイアログ内から実行したグリッド管理でワークスペースのために定義できます。ワークスペースの右下の Snap ボタンをクリックした後 Grids... メニューオプションを選択して、このダイアログ(PCB や PCB ライブラリエディタ)にアクセスします。また、Grid Manager は、メイン Tools メニュー上の同じ名称のコマンド(キーボードショートカット – G, M)を使用してアクセスできます。現在のカーソル位置で適用できるグリッドのために Grid エディタを開くには、ショートカット Ctrl+M を押します。  

Grid Manager ダイアログ - ボードで使用するグリッドを定義

より大きな精度でデザインオブジェクト(特にコンポーネント)を配置するために、Cartesian(長方形)、または Polar(放射状) ベースのローカルグリッドを定義するには Grid Manager ダイアログを使用します。各グリッド-タイプは、編集ダイアログを使用してカスタマイズできます。グリッドを配置するワークスペースの場所、グリッドのステップサイズ、グリッドの大きさ、視覚的な表示方法(ドット、ライン)を定義します。 

Grid Manager で定義した Polar や Cartesian グリッドの例。

これらのグリッドは、互いに重ねて任意の領域に定義できます。そのため、グリッド階層を構築できます。ワークスペースの特定の領域で、入れ子にした多くの配置グリッドを定義し優先レベルを割り当てることができます!

あらかじめ定義されたデフォルトのスナップグリッドは、特定のカスタムグリッドが定義されていないボードの全ての領域に使用したグリッド – Global Board Snap Grid – です。このグリッドのスナップする優先度は、後から定義したカスタムグリッドより低いです。言い換えると、カスタムグリッドは常に最初にスナップします。 

カーソルは、Board Options ダイアログ (Design»Board Options) の Snap Options の項目にある Snap To Grids オプションを有効にして定義したグリッド(デフォルトスナップグリッドを含む)にスナップします。

コンポーネントグリッド

カスタムグリッドは、下図のように、Grid Manager ダイアログ内の Comp オプションを有効にすることでコンポーネントのみのグリッドとして割り当てることができます。 
 

コンポーネントのみとしてグリッドを設定するためのオプションを設定。

コンポーネントのみのグリッドとしてグリッドを設定するには、Comp オプションを有効、Non Comp オプションを無効にします。このコンポーネントのみのグリッドは、コンポーネントを移動するような時に表示するだけであることに注意してください。 

表示グリッド

表示グリッドは、PCB ワークスペース内で個別の '項目' として用意されていません。表示されるグリッドは、Grid Manager で定義したグリッドです。必要であれば全てのスナップグリッドを非表示にできます。これを実行するには、View Configurations ダイアログ (ショートカット L ) を開き、Default Grid Color - SmallDefault Grid Color - Large オプションの Show オプションを無効にします。 

スナップガイド

Main article: Snap Guide Manager (PCB)

Snap Guides は、オブジェクト/コンポーネントを配置する手助けとなる、ある軸、または個所にカーソルをスナップする目的のために手動で配置する特定のオブジェクトです。そして、レイアウト、または整列の目的のための視覚的な指標として使用できます。 

様々な異なる Snap Guide は、Place»Work Guides サブメニュー (PCB や PCB Library エディタ)から配置できます。Snap Guide の設定や管理は、メイン編集領域の右下にある Snap メニューの Guides オプションから実行する Snap Guide Manager ダイアログで行います。 

Snap Guide Manager ダイアログ - ワークスペースで視覚的な配置ガイドとして使用するための設定。

配置、または移動のような相互作用のプロセス中、カーソルは、そのガイドが定義済みのグリッドと交差する場所の配置されたガイドへスナップします。ガイドを使用して、ガイドラインに対して 'スナップ' するまでそれらをドラッグしてオブジェクトを整列できます。 

Linear スナップガイド

以下の表は、リニア Snap Guide の異なるタイプの概要です:

Guide Type

ガイドの配置

Vertical

ワークスペースの目的の X 座標の位置で縦方向のガイドラインを配置するためにクリックします。

Horizontal

ワークスペースの目的の Y 座標の位置で横方向のガイドラインを配置するためにクリックします。

45 Degree

ワークスペースの目的の X,Y 座標の位置を通過する45度 (y=x) のガイドラインを配置するためにクリックします。

-45 Degree

ワークスペースの目的の X,Y 座標の位置を通過する -45度 (y=-x) のガイドラインを配置するためにクリックします。

PCB ドキュメント、または PCB Library ドキュメントで配置中の手助けとなる様々な Snap Guide の例。

Board Options ダイアログ (Design»Board Options) の Snap Options の項目にある Snap To Linear Guides オプションを有効にすると、カーソルは、配置したリニア Snap Guide へスナップします。

Point スナップガイド

オブジェクトの配置をよりコントロールしやすくするには、ある個所に手動でスナップする、ポイント Snap Guide を配置します。ポイント Snap Guide は、定義したグリッド内で手動で配置するホットスポットです。オブジェクトの配置、または移動のようなプロセス中、ポイント Snap Guide へ近づけた時、そのオブジェクトのホットスポットはポイント Snap Guide へ 'スナップ' します。 

Place»Work Guides»Place Snap Point コマンド (PCB や PCB Library エディタ) を選択します。そして、ワークスペースでポイント Snap Guide を配置したい個所にカーソルを移動しクリックします。また、ポイント Snap Guide の管理は、全ての Snap Guide と同様に Snap Guide Manager ダイアログで行います。 

視覚的に、ポイント Snap Guide はグリッドマーカーを Dots に設定する時、特に有効です。

PCB ワークスペース内に配置されたポイント Snap Guide の例。

Board Options ダイアログ (Design»Board Options) の Snap Options の項目にある Snap To Point Guides オプションが有効な時、カーソルは配置したポイント Snap Guide へスナップします。

Object Snap-Points

PCB デザイン領域にある各オブジェクトは、パッドの中心、トラックの終端等のような多くの重要な点があります。これらのホットスポットは Snap-Point として考慮され、オブジェクトのタイプやサイズで異なります。各オブジェクトは、カーソルを引き寄せる Snap-Point があります。例えば、トラックの終点、中点は、トラックのその他の箇所よりカーソルを引き寄せる力があります。  

カーソルスナップに関して、これらの Snap-Point をオブジェクトに使用する2つの方法があります:

Snap To Object Hotspots

これは、以前の Altium Designer に搭載されていた従来の Electrical Grid システムと同じです。それは、オブジェクトがそのSnap-Pointに対してカーソルを引き寄せるために、マウスカーソルがオブジェクトの Snap-Point へ同時に近づく(x、y軸の両方で)2つの軸によるシステムです。 

Snap To Object Hotspots は、Board Options ダイアログ (Design»Board Options) の Snap Options の項目にある Snap To Object Hotspots オプションが有効な時のみ利用できます。オブジェクトのホットスポット(カーソルをそのホットスポットへスナップする範囲内)から引き寄せる程度を決めるには、Range オプションを使用します。

Snap To Object Axis

デザインオブジェクトを配置、移動、ドラッグ中、ポップアップガイドラインは自動で適切に表示されますか(ガイドは必要な時にありますが、実行している動作を終了する時、すぐ消えますか)? また、これらのガイドはオブジェクトのホットスポットに基づいて利用できますか? Snap To Object Axis オプションで対応できます!

ワークスペースでオブジェクトを移動する時、ガイドは、カーソルに隣接する既に配置されたオブジェクトの Snap-Point に基づいたシステムによって自動で生成されます。そのカーソルは、オブジェクトの Snap-Point の水平、または垂直に合わせて整列できます。これは、カーソル位置を決めるためにマウスカーソルに近いオブジェクトのホットスポットの軸からの Snap-Point が可能です。 

Snap To Object Axis オプションを有効にした場合、整列ガイドは、カーソルに隣接する既に配置したオブジェクトの Snap-Point に対して、垂直、または水平にワークスペースに表示されます。

Snap To Object Axis の機能は、 Board Options ダイアログ (Design»Board Options) の Snap Options の項目にある Snap To Object Axis オプションが有効な場合に利用できます。異なるタイプのオブジェクトを Snap-Point ソースとして使用してコントロールするには、右にある Advanced をクリックして表示したダイアログの Advanced Options - Snap To Object Axis の項目にあるオプションを使用します。

Board Options ダイアログは、1つの軸に対してオブジェクトをスナップするためにコントロールする詳細オプションです。
  • Near Objects – カーソルの近くにあるスナップポイントソースとして使用したいオブジェクトを有効にします。有効にしたオブジェクトのホットスポットは、システムが生成した整列ガイドへカーソルをスナップします。有効にしたオブジェクトからスナップするカーソルまでの距離を指定するには、Near Range の項目を使用します。 
  • Far Objects – カーソルが、指定した Near Range を超えてオブジェクトから離れた時、スナップポイントソースとして使用したいオブジェクトを有効にします。有効にしたオブジェクトのホットスポットは、システムが生成した整列ガイドへカーソルをスナップします。 

デフォルトで、Near Objects は全てのオブジェクト(パッド、ビア、トラック、アーク、フィル、カッパーエリア(Region)、テキスト)が、Far Objects はパッドとビアのみ有効です。Near Range は1000milに設定されています。

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