バージョンコントロール システム

このチュートリアルでは、Altium Designerでバージョンコントロールを行うドキュメントの保存場所へ(から)のプロジェクトファイルを確認し、どのようにバージョンコントロールの機能を使用するかを説明します。

Tutorial TU0114 (v2.4) March 18, 2008

背景

電子ツールの最大の長所は、容易にファイルを作成し修正できることです。これは、コード化、ユーザドキュメンテーション、イメージ、プレゼンテーションなどで、アイデアをすぐに作画、調査、完成させることができることを意味します。同時にそれは、大切なファイルに加えられた変更の履歴を覚えておくのが非常に難しいことを意味します。

ファイルに加えられた変更の履歴を追跡したいという要望に応じ、バージョンコントロール・システム が生まれました。バージョンコントロール・システムは、ファイルの様々なバージョンの履歴を保存でき、ASCIIファイルと同様にそのファイルも更新して開き、ファイルの2つのバージョン間の変更を比較するソフトウェアツールです。

一般的にバージョンコントロール・システムは、ファイルが(互いに変更を確認できる)複数の人によってチェックアウトされ、修正され、他の誰かの作業が最新のバージョンから無くなってしまう可能性を扱います。このような状況に必要なのは、ファイルの相違を比較するツールと、一つ前のバージョンへ戻って相違を合成できるツールです。

バージョンコントロール・システムの概要を見る前に、使用される専用用語を理解することが重要です。たとえ、多数のシステムがあっても、一般的な機能性を記述するには同様の用語を使用します。

用語

Check-in

Repositoryへ作業ファイルのコピーを保存することです。バージョンコントロール・システムでCommitと呼ばれます。

Check-out

Repositoryから作業フォルダ(sandbox)にファイルのコピーを受け渡すことです。一般的に最新の修正をチェックアウトしますが、更にすべての初期の修正にアクセスすることもできます。VCSに依存するファイルを、単にチェックアウトまたは独占的にチェックアウト(ロック)して示すことができます。

Commit

Repositoryへ作業ファイルのコピーを保存することです。バージョンコントロール・システムでチェックインと呼ばれます。

Conflict

2人が同じファイルの同じ部分を変更しようとする時の状況です。これらは、Mergeツールを使用するか手動で解決する必要があります。

CVS

Concurrent Versions System(バージョンコントロール・システムのソースを開くことです)。Altium Designerには、Storage Managerパネルから直接、修正点をアクセスして追跡し、回路図やPCBファイルの異なる修正点を非常に容易に比較する直接のCVSインターフェースが搭載されています。

Database

Repositoryとして知られている、バージョン(またはソース)コントロール下のすべてのファイルのマスターの保存場所です。

Log message

チェックインの際、リビジョンに対する変更点についてのコメントです。 ログメッセージは、ファイルの変更内容の概要として使用できます。

Project

ほとんどのバージョンコントロール・システムは、プロジェクトの概念をサポートしています。VCSプロジェクトは、セットでチェックイン/アウトできる関連したファイルのセットです。VCSは、プロジェクトのすべてのファイルのバージョン数を設定する様に、他のプロジェクトタイプの機能もサポートしています。

Repository

データベースとして知られている、バージョン(またはソース)コントロール下のすべてのファイルのマスターの保存場所です。

Revision

ファイルの履歴または一式を変更することです。これは、ファイルに保存されている異なる版を追跡するVCSによって供給された版数です。

Sandbox

作業するファイルをチェックアウトするフォルダです。 Working Folderとも呼ばれます。
SCC Source Code Control(編集するアプリケーションをバージョンコントロール・システムへ接続させることができるMicrosoft®によって定義された標準のソフトウェア・インターフェースです)。ファイルをチェックアウト、変更されたファイルをチェックイン、そして、変更についての情報を記録したり修正履歴を調査するVCSを実行するような動作をサポートしています。

SVN

Subversion(バージョンコントロール・システムのソースを開くことです)。Altium Designerには、Storage Managerパネルから直接、修正点をアクセスして追跡し、回路図やPCBファイルの異なる修正点を非常に容易に比較する直接のSVNインターフェースが搭載されています。

Update

Repositoryにあるファイルのコピーから作業しているファイルのコピーへ変更を'引き抜く'ための確認の動作です(Commit、またはチェックインの補足)。相違の併合の過程は、Mergeツールまたは手動更新を必要とします。

VCS

Version Control System。 ファイルバージョン履歴の管理やファイルを回復させることができるツールに適用された一般的な用語です。

Version

Versionと言う用語は、通常、人によって制御されたファイル、または出力(例えば、ソースコードの場合)に割り当てられた外部の参照番号を参照するために使用されます。

Working

copy 実際に変更するファイルのコピーです。

Working folder

Sandboxとも呼ばれ、作業するためのチェックアウトするフォルダです。

バージョンコントロールの基本

バージョンコントロール・システムを作業する基本的な方法は、まず、Repositoryから作業フォルダに、作業したいプロジェクトファイルを"更新"、または"チェックアウト"することです。これらは修正し保存できます。また、それが適切である場合、更新ファイルをVCSのRepositoryにcommit、または"戻って確認"することができます。チェックアウトとチェックインは、バージョンコントロール・システム インターフェースを通して実行されます。

Altium Designerの環境では、Subversionの作業を実行できるSubversion VCSインターフェースをサポートしています。Subversionは、リアルタイムでファイルとディレクトリを管理するVCSです。これは、ファイルとディレクトリへ行ったすべての変更を記憶して、ファイル(ソースコードでなく)のどんな集まりでも管理することでなされます。そのため、プロジェクトはSubversion VCSより、むしろディレクトリに基づいています。


図1. Altium DesignerがどのようにSubversionへ接続されるかの概略

バージョンコントロール・システムがどのように動作するかの鍵は、Central Repositoryのチェックアウトされたファイルの状態を監視することにかかっています。これは、ファイルが作業フォルダにチェックアウトされていること(どんな修正がチェックアウトされたか、また、チェックアウトされてから修正された場合)をVCSが認識することを意味します。各VCSは、自身でファイルを監視します。 これについての詳細情報が必要な場合、VCSドキュメントを参照してください。

図では、My.PrjPcbのプロジェクト中の3つのファイルを示しています。 各ファイルのさまざまな修正は、作業フォルダで一番後にチェックアウトされたファイルのコピーと共にRepositoryに示されています。作業フォルダのプロジェクトをAltium Designerで開いた時、Altium DesignerはプロジェクトファイルがStorage ManagerとProjectsパネルに表示されている各ファイルの現在のバージョンコントロールの状態で、バージョンコントロール下であると認識します。

Subversionインターフェース経由でVCSに伝えるには、Storage Managerパネルで右クリックします。 そのメニューでは、変更したファイルをチェックインする様に標準のVCSの動作を実行することができます。右クリックして、VCSが作業フォルダからファイルのコピーを取得するcommitを選択する場合、改訂番号をインクリメントし(VCS内に保存された)、ファイルに行った変更を記述することができるログメッセージと共にRepositoryにファイルのコピーを保存します。ほとんどのVCSシステムは、実際にcommitごとにすべてのファイルを保存しませんが、その代わり、以前のバージョンとの相違を保存します。

バージョンコントロール下でアクセスしているファイルへの異なるアプローチ

本質的に、同じセットのファイルにアクセスする複数のチームメンバーを与えるための2つの異なるアプローチがあります。以下のどちらかが可能です:

  • 複数のチェックアウトを許可します (Unreserved check-out modelと呼ばれます)。
  • 一度に一人にアクセスできるファイルを制限します(Lock-modify-unlock、またはexclusive check-out modelと呼ばれます)。

複数のチェックアウトの許可は、作業する前に他の誰かが戻ってファイルを確認するのを待たないで、異なるチームメンバーが独立して作業を続行できることが理想です。しかし、2人が同じファイルを修正するという避けられない状況を解決するためのツールや技術を持っていることが必要です。ASCIIファイルの変更を合成する優れたMergeツールがありますが、一般的にはバイナリファイルの変更を合成することはあまりサポートされていません。Altium Designerでは、回路図とPCBの比較(または '相違')機能が導入されました。 それは、'相違' がボード設計の過程へ変更情報を提供すると言う設計変更管理の信頼性を導きます。Altium Designerでは、回路図の2つの改訂間、またはPCBの2つの改訂間の相違を見つけることができますが、現在、Mergingをサポートしていません。 従って、相違を解決するには手動で行う必要があります。

Altium Designerでのバージョンコントロールのインターフェース

Altium Designerでは、Microsoft®の標準のSCCインターフェースをサポートするSubversion (SVN), Concurrent Versions System (CVS)やその他のバージョンコントロールシステムをサポートしています。SVNでは、直接、SVNが提供する多くの指令(Altium Designer内から改訂したファイルへアクセスできると同様に、Repository、commit/更新ファイルを作成する機能を含む)にアクセスできます。これは、回路図とPCBをすばやく比較し、回路図の2つの改訂間、またはPCBの2つの改訂間の相違を見つけます。

バージョンコントロールの有効性

VCSで直接作業するには、Preferencesダイアログ(DXP » Preferences)の適切なオプションを有効にする必要があります。SCCインターフェースのバージョンコントロール・システムを使用している場合、Version Controlの項目のGeneralページでSCCI - Source Code Control Interfaceを選択します。Concurrent Versions Systemバージョンコントロール・システムを使用している場合、CVS - Concurrent Versions Systemオプションを選択します。Subversionバージョンコントロール・システムを使用している場合、SVN - Subversionオプションを選択します。


図2. Version Control - General プリファレンス - SVN をVC プロバイダとして選択

Subversionを使用する際、更に以下の設定が必要です:
Altium Designerでは、Subversion 1.4.3 か、それ以降のインストールが、SVN 機能の正常な動作に必要なことに注意してください。

Subversion 1.3.2 より前のバージョンでは、正常に動作しません。Path to the main executableを指定します(通常、svn.exe)。これにより、Altium Designerでは、commitや更新の様な多くのSubversions repository機能を利用できます。

Path to the admin executableを指定します(通常、svnadmin.exe)。これにより、Altium DesignerではRepositoryを作成できます。既にRepositoryがある場合、このオプションをスキップするかもしれません。
バージョンコントロール・システムの設定を反映させるために、Altium Designerを再起動します。

ストレージマネージャ パネル

すべてのVCSに関連した動作は、Storage Managerパネルを通して実行されます。 それは、ワークスペースの右の下部にあるSystemボタンをクリックしメニューからStorage Managerを選択して表示することができます。Storage ManagerパネルでVCSの作業を行う方法についての詳細は、このチュートリアルの後で記述されています。

Projectsパネル

バージョンコントロール下にある各ファイルの現在のVCSの状態は、Projectsパネル内のファイル名の隣に表示されます。この状態は、使用しているVCSの方法によって、以下のいずれかになります:

SCCI

  • [空白] バージョンコントロール無効 - ファイルはVCSに追加されていません。
  • [空白] バージョンコントロールになっていません - ファイルはVCSに追加されていません。
  • No modification - ファイルはrepositoryにチェックアウトされ、ローカルコピーが更新されています。プロバイダによっては、ローカルコピーは読み取り専用にマークされ、 チェックアウトするまでは修正不可能になります。
  • Out of date - ファイルは repository にチェックインされていますが、ローカルコピーは期限切れになっています。Get Latest Version で、ローカルコピーを更新してください。
  • Checked out exclusively by me - ファイルは現在、あなた一人でチェックアウトされています。しかし、チェックインする変更がありません。ファイルを仕上げて、ほかの人々がチェックインできるようにしたいときは、Undo Check Out を使います
  • Modified exclusively by me - ファイルは現在、あなた一人でチェックアウトされ、修正されています。Use Check Inで修正をリポジトリに格納します。あるいは、Undo Check Outでそれらを放棄します。
  • Locked exclusively - ファイルは現在、ほかの誰かが一人でチェックアウトしています。その人が Undo Check Out を選択すれば、チェックアウトできます。プロバイダによっては、ローカルコピーは読み取り専用にマークされ、 修正不可能になります。
  • Locked exclusively by me - ファイルは現在、何らかの方法により、あなた一人でチェックアウトするためにどこか他の場所(他のディレクトリ)に管理されています。ロックを解除するには、ソースコードプラグインのドキュメントを参照してください。

CVS および Subversion

  • [空白] バージョンコントロール無効 - ファイルはVCSに追加されていません。
  • [空白] バージョンコントロールになっていません - ファイルはVCSに追加されていません。
  • No modification - ファイルはrepositoryにチェックアウトされ、ローカルコピーが更新されています。プロバイダによっては、ローカルコピーは読み取り専用にマークされ、 チェックアウトするまでは修正不可能になります。
  • Out of date - ファイルは repository にチェックインされていますが、ローカルコピーは期限切れになっています。Get Latest Version で、ローカルコピーを更新してください。
  • Modified - チェックアウトされたファイルは、あなたによって、ローカルで修正されました。ファイルを保存し、repository にチェックイン / コミット(承認)してください。
  • Conflict - あなたが変更し、承認する前に、すでに他の誰かによってファイルが承認されています。
  • Missing - ファイルは repository にありますが、作業フォルダにはありません。Restore メニューのアイテムを右クリックメニューから使用して、コピーを repository から作業フォルダに移してください。

右クリックして、 Refresh Status を選択し、Projectsの現在の VCS ステータスの各ファイルをリフレッシュしてください。バージョンコントロール用のデータベースに無いドキュメントには、アイコンはありません。

Subversionを含むVCSにディレクトリとファイルを追加

バージョンコントロールを使用する前に、プロジェクトファイルは、バージョンコントロール下にあるVCSとAltium Designerプラットフォームの両方で認識される必要があります。この過程は、各VCSの方法によって異なるため、これをどのようにSubversion で行うかを説明します。

Repositoryの作成

Subversion は、そのバージョンコントロールの情報を主要なRepositoryに保存します。Repositoryは、ファイルツリーとして参照されるファイルやディレクトリの階層情報を保存します。既にRepositoryが存在しない場合、Repository を作成する必要があります。

Repositoryを作成するには:
Storage Managerパネルを表示します。
右クリックして、Create Repository を選択します。
右のダイアログで、SubversionのRepositoryを保存するためのディレクトリを指定します。
Repository Typeは、どのようにSubversionがRepositoryのStorage を管理するかを示しています。

Repositoryへディレクトリを追加

Subversionは、特定のディレクトリ内のファイルへの変更を監視します。これらの変更は、Repository に保存されます。次のステップでは、Subversionで監視したいディレクトリを決めます。
1. フリーのファイル、またはプロジェクトを開きます。
2. Storage Managerパネルを表示します。

3. Storage ManagerパネルのFoldersの項目に、選択されているプロジェクト/ファイルのディレクトリ構造が表示されます。ディレクトリを選択します。Altium Designerでは、サブディレクトリは自動で監視されません。各ディレクトリを指定する必要があります。
4. Storage Managerパネルで右クリックし、表示されたメニューからLink Folder to Repository folderを選択します。
5. SVN Link Setupダイアログが開き、ここでディレクトリをSubversion repositoryへリンクできます。

6. Local Directoryが、ステップ3で選択したディレクトリであることを確認し、Path To Repositoryで、使用したいSubversion repositoryを指定します。OKをクリックします。
このディレクトリは、Subversionで監視されています。これは、下図のStorage Manager rパネル内のディレクトリ名の隣にあるチェーンアイコンで示されます。

Repositoryへファイルを追加

ディレクトリをSubversion repository へ追加した後、Repositoryへ追加したいディレクトリ内のどれかのファイルを指定する必要があります。Repositoryに追加されているディレクトリ内のすべてのファイルは、Not in version controlのステータスになります。

Subversionでは、以下の操作でファイルをRepositoryに追加できます。
1. Repositoryに追加されているディレクトリを選択します。

2. Storage Managerで一つ、または複数のファイルを選択します。Only Show Files in the current Projectオプションは、どのファイルをディレクトリに表示させるかを制御します。
3. 右クリックメニューからAdd to Version Controlコマンドを選択します。
4. 必要ならば、ファイルを追加する理由を示すコメントを追加し、OKをクリックします。
ファイルをRepositoryに追加した後、ファイルのステータスは、以下の図に示すようにNo Modificationに変わります。

Storage Manager パネルのVCS Revisions セクションに、青色の矢印 があります。これは、現在、チェックアウトしているファイルのリビジョンを示しています。
Altium Designerのこのバージョンでは、ファイルがSubversionでRepositoryに追加されている時は、独占的にロックできません。

VCSの内外で承認/更新するファイル

プロジェクトとそのファイルがVCSに追加されると、それらを作業したい時にチェックアウトし、作業を完了した時にVCSに戻ることができます。
日々のVCSでの作業は、会社での必要条件やある程度はVCSのアプローチの仕方に依存します。例えばVCSで、マイクロソフトのVisual SourceSafeのようにロックされていないモデルをロックして修正させる場合、会社の方針としては、ファイルを他の人が利用できるようにするため、その日の最後にいつも作業を確認すべきと主張することになるかもしれません。
反対に、複数のチェックアウト(制限のないチェックアウトモデル)を実行できるCVS、またはSVNを使用している場合、会社の方針としては、あなたの作業フォルダでデザインファイルをチェックアウトし続けることができ、主要なファイルを更新した時点でのみ、チェックインする必要があると主張することになるかもしれません。

Repositoryからファイルを更新

CVS、またはSubversion VCSシステムを使用している時、Updateコマンドを使用してRepositoryからファイルのコピーを"チェックアウト"します。その後、Commitコマンドを使用してRepository内のファイルの修正をチェックする前に、ファイルのコピーが、作業しているその他のユーザによって修正されていることを確認するためにUpdateコマンドを使用してください。

ファイルを更新するには、Storage Managerパネルで一つ、または複数のファイルを選択し、右クリックメニューからUpdateを選択してください。

SCCインターフェース対応のバージョンコントロール・システムを使用している場合、Storage Managerパネル内のファイル名を選択し、右クリックメニューからCheck Outを選択してファイルをチェックアウトしてください。

VCSは、作業フォルダに存在するファイルとRepositoryにあるファイルを比較して、その履歴を追跡します。 そのため、ファイルをチェックアウトする時、VCSはRepositoryから作業フォルダへ最新の改訂ファイルをコピーします(ファイルが同じ改訂の場合は、何も起こりません)。Repository内のファイルが作業中のファイルのコピーと同一である時、Storage ManagerでのUpdateコマンドを無効にすることで、Altium Designerはこれをさらにサポートしています。

Updateコマンドを実行した時に、Altium Designerの環境でファイルを開いていた場合は、チェックアウトしたファイルのバージョンを表示し、作業するためには、ファイルを閉じて再度、開く必要があります。

Statusの更新

ファイルを更新後、VCSのステータスはNo ModificationとしてStorage Managerパネルに表示されます。これは、repository内のファイルと作業しているファイルのバージョンが同じであることを示します。
図は、CVS、またはSubversionバージョンコントロールシステムを使用している時に、プロジェクトファイルを更新した後の状態を示します。


図3 SubversionにおけるVCSでのファイルの状態

下図は、VCSとしてSourceSafeが設定された様々なプロジェクトファイルについてのチェックアウトの状態を示します。SourceSafeでは、ロックしていないモデルをロックして使用するため、ファイルを独占して簡単にチェックアウトできます。


図4 SourceSafeにおけるVCSでのファイルの状態

独占してチェックアウトされるファイルについて、その他の設計者はこのファイルをチェックアウトできません。VCSは、ファイルのコピーを獲得できるメカニズムを持っていますが、更新したファイルをチェックインできるのは、独占してそのファイルをチェックアウトした設計者一人のみです。Altium Designerのこのバージョンでは、ファイルがSubversionでRepositoryに追加されている時は、独占的にロックできません。

Repositoryファイルの承認

ファイルの作業を終えたら、VCSに戻ってファイルをチェックする必要があります。この過程は、Repositoryに戻って作業フォルダからファイルをコピーし、改訂番号をインクリメントします。
commitしたいファイルがアクティブな(開いている)場合、commitする前に保存する必要があることに注意してください。 そうしないと、最後に保存したバージョンのファイルが開いているファイル以外へチェックインされます。
Storage Managerパネルで、承認したい1つ以上のファイルを右クリックし、Commitを選択します。
CVS、またはSVNを使用していて、他の誰かがファイルのコピーをチェックアウトしてから更新をCommitした場合、Commitを実行できません。この場合、あなたは最初にUpdateを実行するよう要求されます。CVSやSVN言語でUpdateは、作業しているファイルのバージョンへ、Repositoryのコピーに存在する変更を適用させる動作です。 一度、これが実行されると、ファイルをCommitすることができます。
これは、回路図とPCBのようなバイナリファイルで可能では無いため、Updateの結果は、CVS/SVNが作業フォルダへファイルのコピーをチェックアウトすること(ファイル名の最初にハッシュ(#)文字が付加されます)になります。どんな相違も識別し、どのように相違を解決すべきか決定するために、次の項目に記述された相違の機能を使用します。

ファイル間の相違を表示

VCSで最も使用されている特長の一つは、比較または相違を確認するツールです。一般的に、VCSにはASCII diff(文書比較)ツールが含まれており、優れたサードパーティ製のASCII diffツールもあります。
Altium Designerでは、回路図とPCBファイルの比較機能が導入されています。移動されている回路図のコンポーネントや変更されている配線のパスのような変更を示すためのこの機能を使用することができます。


図5 回路図やPCBデザインファイルでの変更をすばやく識別するための相違の機能を使用

バージョンコントロール・システムとしてCVS、またはSVNを使用している場合、Storage ManagerVCS Revisionsの項目で2つの改訂をCtrl+clickで選択してから右クリックし、ポップアップメニューからCompareを選択して直接、比較できます。
SCCソフトウェアインターフェースでは、改訂のリストをAltium Designerへ渡すことをサポートしていないため、他のバージョンコントロール・システムについては比較したいファイルをそれぞれ開き、ProjectsメニューからShow Physical Differencesを選択して改訂を手動でチェックアウトする必要があります。Choose Documents to CompareダイアログでAdvancedモードを有効にしてから2つのドキュメントを選択します。
一度、2つのファイルが比較されると、Differencesパネルにファイル間のすべての相違がリスト表示されます。 それを調べるには項目をダブルクリックします。

VCSからファイルを削除

VCSシステムでは、ディレクトリ/プロジェクトを削除することができます。VCSからディレクトリ/プロジェクトを削除することにより、Altium DesignerとVCSソフトウェア間のリンクが解除され、バージョンコントロールと関連性が無くなります。
しかし、ディレクトリ/プロジェクトだけを削除することは、すべての関連したプロジェクトファイルをVCSから削除するとは限りません。プロジェクトがVCSに戻って追加され、システムを再同期するためにリフレッシュが実行される場合(Storage Managerパネルでプロジェクトファイルを右クリックしてRefresh Statusコマンドを選択)、それらは再度、チェックインされたとして表示されます。Repositoryからプロジェクトファイルを完全に削除するには、VCSインターフェースを使用する必要があります。

VCSからファイルを削除

選択したファイルをVCSから削除するには:
1. Storage Managerパネルで削除したい一つ、または複数のファイル名を右クリックし、Remove from Version Controlを選択します。
2. 削除されたファイルのstatusは、Projectsパネルで空のボックス[Not in version control]に変更されます。

VCSからディレクトリを削除

Altium Designerのこのバージョンでは、ディレクトリをVCS repositoryから削除できません。

ステータスのリフレッシュ

ファイルのステータスを最新にするには、Refresh Statusコマンドを使用します。このコマンドはいつでも使用できますが、特にVCSソフトウェアで直接、チェックインまたはチェックアウトするような動作を実行させた時に役に立ちます。
1. Storage Managerパネルの Filesの欄のプロジェクトファイル名を右クリックし、Refresh Statusを選択します。
2. Altium DesignerでのアクティブなプロジェクトとVCSに存在するプロジェクト間のリンクはチェックされ、プロジェクトのステータスとその関連したファイルがリフレッシュされます。
対応するstatusは、Storage ManagerパネルとProjectsパネルの各ファイル名称の隣の右のボックス(Show VCS statusオプションを有効にして)で更新されます。これらのオプションは、Preferencesダイアログ(DXP » Preferences)のSystem - Projects Panelページで設定できます。
F5 キーを Storage Manager パネルで使用して、VCS ステータスをリフレッシュすることもできます。

ファイルのVCS履歴の表示

VCS内のファイルの履歴を表示することができます。CVS、またはSubversion バージョンコントロール・システムを使用している場合、選択したファイルの履歴がStorage ManagerパネルのVCS Revisionsの項目に直接、表示されます。改訂を調べるには、VCS revisionsのどれかを選択し右クリックメニューからOpenを選択します。これによりAltium Designerでファイルが開きます。
SCCIバージョンコントロールを使用している場合、履歴を表示できます:
1. Storage ManagerパネルでVCS履歴を見たいファイルを右クリックし、Show History を選択します。
2. 必要であれば、VCSにログインします。
ファイルの履歴の前に、下図のようなHistory Optionダイアログが表示されます。これは、使用しているVCSソフトウェアに依存します。


図6 History Options ダイアログでOKをクリックして、リストから希望の改訂を選択。

3. OKをクリックすると、VCS内で選択したファイルの履歴が表示されます。
表示された情報は、使用しているバージョンコントロール・ソフトウェアに依存します。これらのダイアログの詳細な情報については、VCSソフトウェアドキュメントを確認してください。

関連情報

SVN共通のウェブサイト[ http://subversion.tigris.org/
SVNオンラインマニュアル[ http://svnbook.red-bean.com/
CVS共通のウェブサイト https://www.cvshome.org/
CVSインストール情報[ http://www.cvsnt.org/wiki/InstallationTips
CVSマニュアル(著者 Cederqvist) https://www.cvshome.org/docs/manual/
CVSの使用と管理[ http://cvsbook.red-bean.com/cvsbook.html
別のCVSダウンロードサイ[ト http://www.cvsnt.com

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