Altium Designer 14.0 - 14.3 の新機能

Altium Designer の各バージョンでは、次世代のエレクトロニクスデザインを容易に作成できる新しい機能、テクノロジー、改善点を継続的に導入しています。新しいバージョンがリリースされましたので、このページで新機能を紹介します。見逃した機能、 または改善点を見つけることができるかもしれません。

私達は、Altium Designer の更新に含まれている新機能(その他の改善点、Bug Crunch、Ideas で採用された内容を含む)に期待しています! また、Altium Subscription を継続することで、将来的な更新に含まれる新機能や改善点を利用できます。

Altium Designer の各更新に関するリリース日やバージョンは、リリースノートに掲載されます。その鍵となる機能はハイライト表示され、詳細情報を表示するためのリンクがあります。以前のバージョンのソフトウェア(Altium Designer 10、12、13 を含む)に導入されている機能の情報については、Altium Designer の新機能 - 以前のバージョン を参照してください。また、Altium Designer の更新に関するリストは、右にある 詳細情報 ボックスのリンクから PDF フォーマットで入手できます。

ソフトウェアを更新する方法については、 システムインストール、ライセンス認証と管理 をご覧ください。

Altium Designer 14.3

Released:  
                  02 October 2014 - Version: 14.3.15
                25 August 2014 - Version: 14.3.14

       09 July 2014 - Version: 14.3.13
       01 July 2014 - Version: 14.3.12
                 13 June 2014 - Version: 14.3.11
      
                  4 June 2014 - Version: 14.3.10
                 29 May 2014 - Version: 14.3.9

Altium Designer のこの更新では、多くの新機能や改善点があります。また、AltiumLive コミュニティの BugCrunch システムで、お客様が報告した問題点の改善にも取り組んでいます。全部で 35 種類の新機能と 150 種類の改善点が含まれています。その他に、継続的に更新をリリースし、世界クラスの設計ソリューションを提供します。

 

Altium Designer 14.3 は、メジャーアップデートです。Altium Designer 14.2 から14.3 へ更新することはできず、新規でインストールする必要があります。現在のバージョンを使用し続けるか、または Altium Designer 14.3 をインストールして最新の機能を利用するか選択できます。あるいは、両方、インストールして、要件に合うバージョンを使用できます。

このバージョンでは、PCB エディタでの GDI (Graphics Design Interface) を削除しました。PCB エディタを効果的に使用するには、PC のグラフィックカードが、DirectX 9c と Shader model 3(最小限)に対応している必要があります。

ビアシールド ツール

ビアスティッチングの補足機能として、このバージョンでは、ビアシールド 機能が追加されました。ビアシールドは、垂直に銅箔の障壁を作成するために使用し、RF 信号を通す配線でクロストークや電磁妨害(EMI)を減少させることができます。また、ビアシールドは、via fence、または picket fence として知られており、信号配線に沿ってビアを配置して作成します。

改善されたティアドロップ コントロール

このバージョンでは、デザインでティアドロップを追加、定義するための新しい機能が追加されました。この機能は、トラック、またはアークオブジェクトの代わりに、リジョンオブジェクトからティアドロップを作成します。1 つのリジョンオブジェクトから各ティドロップ形状を作成できます(縁を直線、または曲線にできます)。また、ティアドロップは、2 つのトラックの接合点、T 接合点、ネックダウン接合点へ追加できます。

未使用パッド形状の削除

このバージョンでは、未使用のパッド形状を削除する機能が含まれており、パッドやビアによる不要な銅箔領域を減らすことができます。この機能は、デザイン内の全てのパッド、またはビアを検索し、パッド、またはビアが使用されていない各レイヤ上のパッド形状(そのレイヤで接触しているオブジェクトが無いことを意味します)を削除します。未使用のパッド、またはビアの周りにポリゴンを配置する時、未使用パッド形状の代わりに、そのパッド、またはビア穴に対するクリアランスを作成する必要があります。これにより、BGA 下のような状況で、ポリゴンで失った銅箔領域を取り戻せます。

配線長チューニングの改善

serpentine 配線として知られているアコーディオン形状の配線長チューニングは、重要なタイミング要件が必要な高速ネットに関する標準の設計手法です。このバージョンでは、インタラクティブ配線長チューニング 機能(1 つのものとして扱われます)を使用して、既存の配線にアコーディオン形状を追加できます。これは、1 つのオブジェクトとして選択、編集、削除できることを意味します。また、チューニングゲージも改善され、配線済み距離 残りの推定距離 が表示されます。

インタラクティブ配線の改善

このバージョンでは、インタラクティブ配線機能を改善しました。この改善には、次のような機能が含まれています: シングルクリックで配線をドラッグし形状を変更; ビアドラッグ; 自動ネックダウン; 新しい SMD デザインルール; トラックを SMD パッドへ接続する、または SMD パッドから引き出す方法をコントロール; インタラクティブ配線中、複合のルールを遵守 (SMD To Corner, Vias Under SMD, Routing Layers)。

SMD パッドへの配線をコントロール

このバージョンでは、新しいデザインルール SMD Entry が追加されました。このルールは、配線を SMD パッドへ接続する、または SMD パッドから引き出す方法をコントロールします。パッド先端のデフォルトの接続箇所について、次の接続箇所を選択できます: 角、側面、フリー角度。このルールは、SMD to Corner ルールと調和して働き、設計要件に合う SMD パッドへの配線が可能です。

自動のネックダウン

基板を設計するのに費やす時間のほとんどは、配線作業です。これをより効率的に行うために、Altium Designer 14.3 では、トラックを配置している時に配線に関するルールに基づいて自動で切り換えできます。ルームに基づいた配線幅のデザインルールを定義して、ルーム内に配線した時、またはルーム内から配線を引き出す時、配線を自動で縮小、拡張できます。

面取り配線

このバージョンでは、90 度の配線コーナーを面取りする機能を導入しました。これは、マイクロ波を通す配線のコーナーで起こる反射を減らすために使用する技術です。Altium Designer のトラックオブジェクトは、終端が丸いため面取りコーナーを作成できません。そのため、面取りコーナーは、選択したトラックセグメントをリジョンオブジェクトへ変換して作成します。

改善されたポリゴンの編集と管理

今日のほとんどの基板設計では、銅箔領域(Altium Designer では、ポリゴンを配置して容易に作成できます)を含めます。Altium Designer 14.3 では、ポリゴンの編集機能を改善しました(ポリゴンの作業を容易にし合理化しました)。これらには、Unpoured モード(ポリゴンは外形で表示されます)が含まれ、編集方法(再構築機能)が改善されました。Unpoured モードが追加されたことで、Shelving 機能は削除されました。

改善されたPCB Filter パネル

PCB FilterPCBLIB Filter パネルは Altium Designer 14.3 で見直され、デザイン、またはライブラリ内のオブジェクトを合理化して表示、選択できます。パネルには、従来のクエリ表現法(より高度なフィルタ設定用)や、オブジェクトタイプに基づいた簡単なフィルタが用意されています。これにより、必要なオブジェクトを正確に効率的に特定できます。

PCB での 1 つのオブジェクトのセレクト

基板設計の多くの共通の操作は、セレクトかもしれません。複数レイヤ、または複数オブジェクトの中から 1 つのオブジェクトをセレクトすることは重要ですが、クリックする時、設計者が求めるオブジェクトはどれですか? このバージョンでは、1 つのオブジェクトをセレクトする動作を改善し、セレクトするポップアップ ウィンドウを使用しないで、重なったオブジェクトから目的のオブジェクトを切り換えてセレクトできます。これを拡張し、最初にセレクトするオブジェクトが重なっているオブジェクトであるか、またはそうでないかに関係無く、より高レベルのオブジェクト(論理階層に関して)も切り換えできます。

Refactored Clearance デザインルール

クエリ表現法ベースのルールスコープ システムは柔軟で有力ですが、オブジェクト タイプ対オブジェクト タイプのクリアランス仕様に容易に対応できません。これを考慮して、Altium Designer 14.3 では refactoring  Electrical Clearance ルールに適用しました('最小クリアランスのマトリクス' の形式で)。マトリクスを使用して、デザインのオブジェクト間のクリアランスを微調整できます。ルールスコープと組み合わせて、厳重なクリアランス要件に合うルールを定義できます。 

Polar グリッドでコンポーネントを自動で回転

Altium Designer 14.3 では、Polar グリッドでのコンポーネントの配置に関して(自動で回転して配置する形式で)改善されました。polar グリッド上でコンポーネントを移動する時、グリッドに合わせて自動で回転します。正確にコンポーネントを整列するには、標準のオブジェクトの回転機能 – Spacebar (反時計回り), Shift+Spacebar (時計回り) – と組み合わせて、この機能を使用します。

改善されたジャンパ機能

Altium Designer 14.3 では、新しいコンポーネント タイプJumper が追加されました。ジャンパ(ワイヤリンクとも呼ばれます)は配線の代わりに使用でき、よく片面基板で使用されます。

拡張された 'Flipped On Layer' プロパティ

回路基板の内層(銅箔層)内にディスクリート コンポーネントを埋め込む時、埋め込みコンポーネントの方向(上、または下)は、Flipped on Layer オプションを有効にして無視できます。Altium Designer 14.3 ではこのプロパティが拡張され、PCB Inspector パネル、PCB List パネル、Find Similar Objects ダイアログで利用できます。また、Boolean ComponentFlippedOnLayer キーワードは、論理的なフィルタのクエリに追加されました。一方、Boolean FlippedOnLayer プロパティは、スクリプトで使用するために Component インターフェース (IPCB_Component.FlippedOnLayer) に追加されました。

折りたたんだ STEP モデルの生成

このバージョンでは、STEP フォーマットでのエクスポート機能を拡張し、折りたたんだリジッドフレキシブル デザインを STEP フォーマットでエクスポートできます。STEP Export Options ダイアログにスライダー(平坦(折りたたみ 0%)から完全に折りたたむ(折りたたみ 100%)まで、折りたたみ具合を定義できます)が含まれました。

改善された斜めのサーマル接続

長方形の SMD パッドとポリゴン間の 45 度のサーマル接続に関して、以前のバージョンでは、サーマルトラックがパッドの中心へ接続されていました。Altium Designer 14.3 では、45度のサーマル接続に関してパッドのコーナーで接続されるように改善されました。

PADS インポーターの改善

PADS® PCB インポーターは、Altium Designer 14.3 で改善されました。PADS 9.5 ASCII やそれ以前のバージョンに対応し、2 つの主要な領域を更新しました: 幅広い PADS デザインオブジェクトに対応し、ルール数を減らすためにデザインルールのインポートを合理化。

xDx Designer インポーター

 

この拡張機能は、ベータで利用できます。詳細については、ローカルの Altium セールス & サポートセンター へお問い合わせください。

xDX Designer Importer 拡張機能を利用して、Mentor Graphics® Xpedition® xDX Designer® (以前の DxDesigner®) を使用して設計したバイナリフォーマットの回路図を Altium Designer へ移行できます。最新バージョンの xDX Designer (バージョン 7.9.4 (Expedition Enterprise 7.9.4、または EE7.9.4)) からデータを移行するためにバイナリインポーターを更新しただけでなく、幅広いオブジェクトタイプにも対応しています。

IPC-7351B 準拠

Altium Designer 14.3 では、IPC®-Compliant Footprint WizardIPC®-Compliant Footprints Batch Generator を改善しました。これらの変更は、IPC standard 7351 の Revision B(表面実装設計やランドパターン基準用の一般的な要件)に対応することを目的としています。次のパッケージ: CAPAE, CHIP ARRAY, DFN, LGA, PQFN, PSON, SODFL, SON, SOTFL に対応しています。

ActiveBOM の改善

ActiveBOM のいくつかの機能が、 Altium Designer 14.3 で改善されました。1 つは、バリアントに対応し、主要な製品のみでなく、様々な実装バリアントに使用する部品の費用や入手可能性を追跡できます。2 つ目の改善点は、受動部品の旧式の方法に対応したことです。それは、同じライブラリ item を使用して、異なるパラメータ値を設定し、固有の情報を定義(例えば、1 つの抵抗を 3 回配置して、それぞれ 100オーム、1K、10K の値をパラメータに設定し、3 つの '異なる' デザイン item を識別)する方法です。また、出力ジョブ ファイルで通常の BOM ドキュメントを定義して、レポートを生成できます。

バリアント機能の改善

Altium Designer 14.3 ではバリアント機能が改善され、別のコンポーネントを設定する機能が追加されました。そして、論理的なパラメータからバリアント パラメータとして出力できます。

サプライヤーの改善

Altium Designer 14.3 ではサプライヤー機能があり、サプライチェーン情報を入手して設計データ管理で使用できます(Software Extensions で定義して利用できます)。また、2 つの新しいサプライヤー(RS Components 社(Electrocomponents 社の商業ブランド)や Future Electronics 社)を追加しました。

回路図でのワイヤドラッグ機能の改善

回路図でのワイヤドラッグ機能が Altium Designer 14.3 で改善され、接続が切り離されないようにすることを目的に開発しました。これらの改善には、次の機能が含まれています: 平行に接続されているオブジェクトをドラッグする時、意図しないオートジャンクションが最小限になるよう、階段状に作成されます; ワイヤを含むネットラベルをドラッグする時、ネットラベルがワイヤへ接触したままになるよう改善されました; ドラッグ中、ホットスポットが使用され、オートジャンクションが作成される場所が表示されます; ドラッグ移動によって接続が変わる場合、それを知らせます。

回路図でセレクトしたワイヤセグメントを削除する機能

ワイヤセグメントの扱いは、Altium Designer 14.3 で大幅に改善されました。セレクトしたワイヤセグメントを Delete キーで削除できるだけでなく、オートジャンクションが考慮され、そのジャンクションまでのワイヤセグメントを削除できます(削除したワイヤ上のジャンクションは削除されますが、その両端にある接続は維持されます)。

回路図でのフォントの改善

Altium Designer 14.3 では、回路図エディタでのフォントを改善しました。テキストベースのオブジェクト(Altium Designer 13.0 で導入されました)と同様に、パワーポートのフォントをオブジェクトレベルで編集できます。また、SCH Inspector パネルでは、セレクトしたオブジェクトに適用されているフォントを編集できるだけでなく、パネル内からフォント設定をコピー、ペーストできます。

テキスト フレームと注釈のテキスト マージンを指定する機能

回路図のテキスト フレームと注釈オブジェクトの機能を拡張し、Altium Designer 14.3 ではテキスト マージンを定義する機能を追加しました。Text Frame、または Note ダイアログのText margin プロパティを使用して(1 つの値を指定して)、テキストフレーム、または注釈の左、上、右、下のマージンが均等に適用されます。

Verilog Include Path と定義

Altium Designer 14.3 では、プロジェクトレベルで Verilog の include path を定義する方法を改善しました。また、全体のマクロ定義 (Defines) をプロジェクト オプションで指定できます。

ダイアログベースの新しいプロジェクトの作成機能

New Project ダイアログにより、プロジェクトの作成プロセスが改善されました。テンプレートを表示する機能だけでなく、バージョン コントロールシステムで使用しやすいインターフェース(VCS プロジェクトフォルダや作業フォルダを作成できます)を利用できます。新しいプロジェクトを Design Repository へ追加でき、チェックアウトできます。また、そのダイアログで、新しい Managed ProjectAltium Vault のローカルのバージョンコントロール (SVN) サービスから作成される Design Repository に安全に保存されています)を容易に作成できます。 

スマート PDF の改善

スマート PDF ジェネレーターは、ユーザのフィードバックにより改善されました。印刷品質は、4 つの設定(75 から 600 dpi まで)からユーザが選択できます。また、PDF ジェネレーターで利用できる用紙サイズは、コンピュータの Windows デフォルトプリンタから '取得' されません。固定の用紙サイズを利用できます。選択したサイズがターゲットデバイスで利用できない場合、警告が表示され、出力されません。この拡張機能として、用紙サイズをカスタマイズできます。

システムとパフォーマンスの改善

Altium Designer 14.3 では、次の点を含む、幅広いシステムとパフォーマンスが改善されました: プロジェクトコンパイラは、以前のコンパイル情報を維持できるように更新されました。この結果、メモリ要件が減少し、スピードが改善されました; 3D モデルのメッシュ表示が改善されました。3D モデル情報はセッション間で保存され、セッション中に読み込んだり切り換える時間を向上しました; PCB エディタでパフォーマンスを向上するために、オンライン ルールチェックに関するデザインルールタイプのほとんどをデフォルトで無効にしました; また、アプリケーション起動スピードを改善しました。

設計データ管理

Altium Vault は、最も小さいコンポーネントから複雑な製品までの重要な設計データを管理、維持するための解決策となります。Altium Vault の機能を広める、拡張するために、Altium Vault 2.0 では、チームが働く設計環境を管理するための新しい機能や、設計データを保存、管理するための新しい機能や改善点が追加されました。

ここでは、このバージョンで追加された鍵となる機能を紹介します:

  • 合理化されたインストール - 1 つのインストーラーで vault テクノロジーを利用でき、ライセンスにより使用できる機能やテクノロジーが決まります(3 つの独立した vault の 'バンドル': Library, Workgroup, Enterprise があります)。
  • 管理されたプロジェクト - Altium Vault のコントロール下にある集中化された保存場所(この機能は、プロジェクト ライフサイクルの開発段階を対象にしています)を利用して、バージョンコントロール下にあるプロジェクトの作業フローを容易にします。また、共同サービスに関する土台を利用できます。これに関連する機能として、管理されたプロジェクトの回路図や PCB ドキュメントへコメントを追加(サーバへ保存されます)できるシステムがあります。
  • File-less Editing - vault から直接、最新のソースと一緒に読み込んだ一時的なエディタを使用して、Item タイプを編集できます。ハードドライブ上にファイルはありません。正しい、または最新のソースで作業しているかどうかは問題ありません。また、別個のバージョンコントロール ソフトウェアを利用する必要はありません。
  • 改善された CmpLib エディタ - モデル管理が改善され、階層の無いコンポーネントで編集、容易にリリースできます。
  • Vaults パネルの改善 - フォルダ content paging、繰り返しのフォルダ削除、Item Revision のバッチ状態変更、フォルダ間で複数のItemをドラッグアンドドロップ、ComponentLink パラメータの表示、Altium Designer のドキュメント以外(PDF、Excel 等)をそれぞれのアプリケーションから表示が可能です。
  • ネットワーク インストールサービス - ローカルの Altium Vault へインストールパッケージを取得して、企業がローカルネットワーク上に Altium Designer をインストールしたり、更新できます。それから、設計者へ必要なパッケージを展開できます。

最新の Vault テクノロジーに含まれている詳細情報については、以下のリンクを参照してください。

Altium Designer 14.2

Released: 5 March 2014 - Version: 14.2.4
            19 February 2014 - Version: 14.2.3

Altium Designer のこの更新では、主要なテクノロジーの改善やパフォーマンスを修正することに注力しています。全部で約 100 種類の修正/改善や、 AltiumLive コミュニティの BugCrunch システムを通してお客様から提案された、要望が多い 30 種類の問題を処理しました。

PCB Drill Table の改善

Drill Table は、PCB 製造資料で鍵となる要素です。Drill Table の質を向上し、容易に使用、提示するために、設計者は各欄にある文字位置をコントロールできます。また、各欄の幅も設定できます。

 

無効な PCB デザインルールの改善された表示

Altium Designer の PCB エディタのルールベース環境で、ボードを制約するための多くのルールを構築することは稀ではありません。この状況で、いくつかのルールを無効にする場合が あります(問題のあるボードへ適用できない場合や、Design Rule Checker の負荷を軽減するために一時的に無効にする場合)。このバージョンでは、無効に設定されているルールを、識別しやすいように 'グレーアウト' で表示します。

 

ポリゴンの改善

こ の更新ではポリゴンの最適化を行い、ポリゴンの構築速度を向上しました。ポリゴンの数や複雑さに依存しますが、ポリゴンの構築速度を 2x から 20x(または、それ以上)に向上しました! また、格子状ポリゴンやポリゴンカットアウトを使用している時の質を改善しました。

ベクターグラフィックを対応した回路図

Altium Designer の回路図エディタでは、様々な一般的なフォーマットでグラフィック画像を追加する機能を対応してきました。しかし、bmp, png, jpg, tiff を含むこれらのフォーマットは、全てラスターベースです。そして、これらの画像フォーマットは十分、表現できますが、画像を縮尺する時、それが不十分にな ります。このバージョンでは、回路図エディタで WMF (Windows Meta File) や SVG (Scalable Vector Graphics) フォーマットのベクターベースのグラフィックを対応します。

 

GOST に対応した回路図の改善

このバージョンの回路図では、設計者は、Euro-Asian Council for Standardization, Metrology and Certification (EASC)支持する地域基準 (GOST) に従って設計できます。 Commonwealth of Independent States (CIS) の設計者は、これらの基準に従います。一点鎖線の表示や、ピンシンボルのライン幅をコントロールできます。

 

スマート PDF での Global Bookmark

このバージョンでは、スマート PDF でより 'Smart' になり、デザイン内にあるコンポーネントやネットの global bookmark を含める機能を追加しました。

 

Subversion 1.8 の対応

このバージョンで、内蔵の SVN クライアントをSVN 1.8 へ更新しました。

 

TI Stellaris と NXP LPC2000 デバイスファミリーに関する Extension を対応

この更新では、2 つのファミリーのディスクリート マイクロコントローラを対応しました。Cortex-M3-based Stellaris Support extension は、Texas Instruments Stellaris ファミリーのマイクロコントローラをプログラム、デバッグできます。ARM7-based LPC2000 Support extension は、NXP LPC2000 シリーズのディスクリート マイクロコントローラをプログラム、デバッグできます。また、これらの 2 つのファミリーを対応するために、Embedded extension を更新しました。

Altium Designer 14.1

Released: 5 December 2013
Version: 14.1.5

この更新では、Altium Vault に関する新しい Team Configuration Center や Data Acquisition 機能、安定性やパフォーマンスの改善を含む、多くの新機能や改善点があります。

設計データと環境管理

Altium Vault では、最も小さいコンポーネントから複雑な製品までの設計データを適切に管理、維持できます。このバージョンでは、チームが作業する設計環境の管理や、設計データの保存、管理に関する多くの新機能があります。

これらの改善には、以下の内容が含まれます:

  • Vault Data Acquisition - Altium Vault 間で content をコピーします(リンクをソースへ戻して)。これらの機能は、eData ソース (サプライヤー、製造メーカー、その他の設計者は、Altium Vault を介して content を利用できる場所)の概念に基づきます。
  • Team Configuration Center - Team Configuration Center では、Environment Configurations を定義、管理して、設計者が作業する環境を集中化してコントロールできます。
  • Enhanced Design Content Management - Output Jobs や Schematic Templates は、Altium Vault へリリースできます。そして、必要な場合、Environment Configuration にそれを含めることができます。
  • Improved Tracability and Access Management - 変更に注釈を含めて、Altium Vault 内にある Item の調査履歴を維持します。そして、ガーバーのような(アクセス権を管理して)、リリースデータへアクセスする人をコントロールします。

Altium Designer オフライン インストーラー

安 全にオフラインで Altium Designer をインストールする必要がありますか? このバージョンでは、理想的にオフラインで Altium Designer をインストールするために、オフライン インストーラーを利用できます。オフライン インストーラーは、インターネットへ接続しないで実行します。それから、スタンドアロン、またはプライベートサーバ ライセンスを使用して、オフラインのままで Altium Designer を使用できます。  

Altium Designer 14.0

Released: 17 October 2013
Version: 14.0

フレキシブル、リジッドフレキシブル デザインのサポート

こ のバージョンでは、フレキシブル、リジッドフレキシブル設計を行えます。フレキシブルプリント回路は、絶縁膜へプリントされた導体パターンです。リジッド フレキシブルは、フレキシブル回路とリジッド回路が組み合わされたプリント回路の名称です。この組み合わせは、フレキシブルとリジッド回路の両方の利点を 利用するための理想的な方法です(リジッド回路には、リジッド領域間を相互に接続するフレキシブル領域と一緒に、全て、または多くのコンポーネントを含め ることができます)。

改善されたレイヤスタック管理

ボー ドデザインの異なる領域で異なるレイヤを定義するために、Altium Designer では複数のレイヤスタックを定義できます。これは、全体のマスターレイヤスタックを設定(デザインでボード設計者が利用できる全体のレイヤを定義)して定 義できます。このマスターレイヤスタックから、マスタースタックのレイヤを使用してサブスタックの数を定義できます。各サブスタックを定義し名称を設定す ると、リジッドフレックス デザインを使用できます。Altium Designer 14.0 ではレイヤスタックマネージャが改善され、そこから、主要なレイヤスタックとサブスタックを定義できます。

埋め込みコンポーネントのサポート

デバイス内に高周波信号が含まれ、より小さく統合されたエレクトロニクス製品の要求が増え続けることにより、より良い方法で回路を製造、実装する必要があります。より高密度で高周波信号に対応する1つの方法としては、回路構造のレイヤ内にコンポネントを 埋め込む ことです。例えば、統合された回路下に直接、ディスクリート コンポーネントを埋め込むと、信号の長さがより短くなり、抵抗や寄生インダクタンスが減り(ノイズを減らし EMI 対策になります)、信頼性のある回路信号となります。これらの改善により、高速信号、広帯域に対応し、より小さく信頼できる製品にすることができます。ま た、改善された製造プロセスやテクノロジーにより、製品サイズを縮小化し、製造・ボードレベル実装コストを下げることができます。Altium Designer のこのバージョンでは、埋め込みディスクリート コンポーネント(ディスクリートとして製造され、製造 / 実装中に回路ボードの内層に配置するコンポーネント)をサポートします。

差動ペア配線の改善

このバージョンでは、次の内容を含む差動ペア配線機能が改善されました: Differential Pair Routing デザインルールの簡易化、自動化された差動ペアギャップ幅の切り換え、routing layers ルールに従う差動ペアルーター。

ユーザ定義の領域へビアスティッチングを定義

PCB エディタのビアスティッチング機能は Altium Designer 14.0 で改善され、ユーザ定義の領域へビアスティッチングパターンを定義できます。ビアスティッチング領域を定義するプロセスは、リジョン、またはポリゴンを定義する時と同じです。

AutoCAD インポーター/エクスポーターの改善

Altium Designer 14.0 では、最新の AutoCAD フォーマット(*.DWG*.DXF)のデザインを移行できます。インポーター/エクスポーターのインターフェースが更新され、AutoCADの最新バージョンのデータを移行できるただけでなく、幅広いオブジェクトタイプもサポートします。

CadSoft EAGLE インポーター

全 ての設計作業は、Altium Designer で行うとは限りません。Altium Designer を使い始めの場合、他のファイルフォーマット(Altium の旧製品、またはその他の EDA ベンダツール)のデザインを持っているかもしれません。Altium Designer の既存ユーザでも、Altium Designer 以外で作成したデザインを表示する時があるかもしれません。他のフォーマットや他のツールからエクスポートしたファイルで作業できるように、Altium Designer 14.0 では CadSoft® EAGLE™ (容易に適用できるグラフィカルレイアウト エディタ) デザインファイルやライブラリ (*.sch, *.brd, *.lbr) のインポーターが導入されました。

Ibis Model Implementation エディタ

シ グナルインテグリティ解析を実行する時、IC ピンをモデル化するために Altium Designer には Ibis モデルを使用する機能が含まれています。しかし、この機能では、回路図上にある IC コンポーネントの SI implementation を定義する時、常に Ibis モデルを Altium Designer のシグナルインテグリティ モデルフォーマットへインポートする必要があります。Altium Designer のモデルフォーマットを使用できないサードパーティツールに対応するために、Altium Designer 14.0 では Ibis model implementation エディタが導入されました。

TME のサプライヤーをサポート

Altium Designer 14.0 では、サプライヤーリストに、サプライヤー – TME (Transfer Multisort Elektronik) を追加しました。ポーランドにある TME は、中央、東ヨーロッパのエレクトロニクス コンポーネントの最大の販売店です。サプライヤー web サービスへ直接、接続して、TME の全体の製品カタログを検索できます。それから、この 'ライブ' のデータは、Altium Designer の Live Links to Supplier Data 機能(Altium Designer 内からサプライヤーデータベースを検索して、コンポーネントを Supplier Item へリンクできます)を使用して設計プロセス内で統合できます。また、企業で Altium Vault Server を使用する場合、vault の管理者は Approved Suppliersリスト(承認されたベンダのリストを使用して企業全体の設計者や、集中化されたサプライチェーン管理を容易にするために使用した)で TME を設定できます。

新しいインストールシステム

このバージョンでは、新しいインストールシステムが導入されました。自己充足型のAltium Designer インストーラー により、Altium Designer のインストールはより直感的、効率的になりました。このウィザードベースのインストーラーではインストール内容を最初に選択でき、初期インストールプロセ スを合理化します。インストールファイルは、安全なクラウドベースの Altium Vault から入手されます。また、主要なインストールの修正や、アンインストールは、Windows 7 の標準の Programs and Featuresページ(コントロールパネルからアクセス)から行うように変更されました。

Altium Designer Extension

このバージョンでは、Extension からソフトウェアをカスタマイズできます。extension は、ソフトウェアを効果的にアドオンできる機能で、機能を拡張できます。主要な機能は初期インストールでインストールされ、透過的に扱われます(System Resources と呼ばれます)。また、Optional Extensions(必 要に応じて、ユーザが選択してインストール、または削除する機能)を利用できます。それは、デザインの要求に従って、拡張してインストールできる概念で す。Altium Designer のインストールのカスタマイズは、利用できる拡張機能を管理できることを表します。extension のインストール、更新、削除は、Extensions and Updates ダイアログから行えます。extension は、Altium から入手して Altium Designer で使用できます。また、Extension は、Altium Designer Developer Edition で利用できる Altium Designer SDKApplication Software Publisherを使用して、サードパーティが開発、配布できます。

ベンダツールのバージョンをプリファレンスベースでコントロール

Altium Designer の以前のバージョンでは、FPGA デザインの Build プロセス中、最新のベンダツールを仮定したソフトウェアを使用することになっていました。Altium Designer 14.0 ではこれを選択できます。これは、設計者がコントロールでき、インストールされているベンダツールの様々なバージョンを扱えます(異なるデザインで使用す る場合があります)。

Xilinx Vivado ツールチェーンのサポート

こ のバージョンでは、FPGA デザインの Build プロセス中、配置配線を実行する時、ツールとして Xilinx Vivado 14.3 を使用できます。Xilinx Vivado は Xilinx ISE の後継で、Xilinx デバイスのシリーズ-7 世代をターゲットにします。

ブラウザベースの F1 リソース資料

Altium Designer 14.0 では、ソフトウェアの資料が一新されました。この Altium Designer リソースに関する資料は、Atium Documentation サイト(Altium Designer Resource Reference)で 利用できます。主に、これにはソフトウェアのダイアログやコマンドに関する資料が含まれていますが、今後、参照タイプの資料も拡張していく予定です。

 

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