Altium DesignerとEAGLEの比較: 利点と欠点
変更が必要な理由、そして、今、変更すべき理由
最低限の設計仕様を満たせない、あるいは製品のリリース日やコストの目標を達成できない――そんな事態に遭遇していませんか?完璧な基板を設計するための専門知識がありながら、設計環境の制限が原因で「機能の質」にまつわる目標を達成できずにいませんか?そろそろ設計ソフトウェアを変える必要があると実感したことはありませんか?
現代の製品はますます急速に複雑化しつつあり、より大規模な回路が小さなパッケージに搭載されるようになってきました。目標を達成できないのが普通のことで、許容されるという考えは、もはや通用しません。豊富な機能を持つ製品、最先端の自動化テクノロジー、インテリジェントな解析ツール、そしてECAD-MCAD設計プロセスの全体で効率的な、実績のある共同作業を可能にする、完全なPCBプロジェクト ソリューションが必要とされています。今こそ、Altium Designerにご注目ください。
Eagle™製品の概要
Autodeskは、PCB設計ツール(Eagle)を3つの異なる拡張ステージで販売しています。
電子設計では、最高レベルの効率性と性能が要求されます。変更できない期限、高精度のレイアウト、正確なドキュメントと部品の組み合わせによって生産性が評価される場合、完全なPCB設計プラットフォームへの投資は不可欠なものです。Altium Designerには設計の課題を満たすため必要な全ての要素が含まれており、革新的で差別化された機能を、確実にリリースしてきた実績があります。
Altium Designerの概要
Altium Designerは、設計、データ、リリース管理プロセスが統一された環境です。
Altium Designerは、習得しやすく、使いやすく、Windows標準の動作に従う、一貫したPCB設計環境です。設計上の決定を早期に行い、作業を効率的に実行し、設計プロセス全体を通してチェックやバランスを実装するために必要なすべての機能が搭載されています。また、Altium Designerはサードパーティーの解析、合成、および3D機構系ソフトウェアとスムーズに連携できます。
Altium Designerを使用すると、設計上の最も複雑な課題を解決するため必要な、以下の要素を全て活用できます。
サプライチェーンの統合
高度なサプライチェーン管理
最も信用でき、信頼性の高いサプライヤーから、リアルタイムの価格および利用可能性のデータを得られるため、常にインテリジェントに部品選択が行えます。サプライチェーン全体のデータを設計プロセスの初期段階で完全に見通すことができるため、高いコストと多くの時間を浪費する設計のやり直しの可能性を減らすことができます。
データ管理
安全で集中化された設計データ
貴重な設計資産は全て、安全で集中化された場所に保管され、設計チーム全員が利用できます。チームが集中化されたライブラリ管理ツールと安全な保管場所を持ち、信用できる設計データを使用して作業を行っていることが保証されます。
リリース管理
柔軟なリリース管理ツール
正確な設計データの検索、およびリリース機能により、プロジェクトの一貫性と信頼性をコントロールできます。データやドキュメントを再作成する必要がなくなるため、設計プロセスが迅速化されます。
スムーズなECAD/MCAD共同作業
データの自動的な同期、および追跡機能により、機構系チームとリアルタイムで簡単に共同作業できます。PCBシミュレーション ソフトウェア 「Native 3D™」の視覚化、およびクリアランスのチェック機能により、基板を最初から正しく製造できます。
一体型の最新ユーザーインターフェイス
Altium Designerの全ての機能は、一体型の現代的なユーザインターフェース(UI)から使用できます。設計プロセスの全ての要因に責任を持つ場合も、特定の作業を委託された場合も、一貫した選択、および編集方式により、設計タスク間で迅速に移動できます。コンテキスト依存UIにより、プロセスやドキュメントのある部分から別の部分へ切り替えると、UIも変化するため、最も関連性が高く直感的な選択が行えます。設計プロセスの1つの側面のみに集中する場合、好みに応じてUIを構成することもできます。この一貫した外観と操作性により、行う設計業務が増えてもすぐに習熟できます。
統一されたUI、回路図とレイアウトを並べて表示
Eagleによるライブラリ、およびコンポーネントの管理
Eagleはファイルベースのライブラリで、ライブラリのコンテンツを他のチームメンバーと共有するための、一般的なファイルアクセスの制限が組み込まれています。また、デザインのリンクをコンポーネントへ追加し、回路図とPCBレイアウト間で同期を維持する機能もあります。これは、EAGLEとAltium Designer のどちらが要求に合っているのかを考慮する際に注目すべきポイントです。
Altium Designerによるライブラリ、およびコンポーネントの管理
AltiumはPCBの設計、開発、製造プロセス用のソリューションを提供する業界のリーダーです。このプロセスの基本的な側面の1つは、サプライチェーンとの密接な接続と、リアルタイムでのコンポーネント管理です。Altium Designerでは、いくつかの異なるライブラリの概念が利用可能です。簡単なファイルベースの構造から始めて、共同作業に対応するデータベース駆動のライブラリや、ライフサイクル、およびレビジョンの保守まで行える管理されたライブラリに拡張できます。どのようなオプションを選択しても、迅速、かつ簡単に設定して使用できます。保守もほとんど必要ありません。
リアルタイムのBOM管理 - ActiveBOM®
ActiveBOM®により、最初からデザインのライブの情報を表示し、重要なサプライチェーン情報である入手可能性や価格などを早期から継続的に反映できます。PCB設計で使用する部品の価格と入手可能性の管理を効率的、かつ効果的にサポートするシステムとして、リアルタイムでのコストの見積もりと追跡を容易にします。ここでは個々の部品に対して希望する価格を指定し、実際の価格と比較できます。また、価格の変動が予測される場合は適時に通知されます。部品の入手可能性をすばやく確認できるほか、選択した部品を供給できない可能性がある(部品の生産中止が迫っている)場合は通知を受け取れます。さらにAlternative Part Choiceでは、ピン互換のバックアップ部品をBOMで直接、指定することも可能です。こうしたバックアップ部品を選択しておくと、製造関連のサプライチェーンにまつわる問題がほぼすべて解消されます。つまり、製造に潜在する問題まで考慮して設計を進められるため、市場投入までの時間を短縮しながら、予期しないコストや設計の変更を最小限に抑えられます。
Eagleでの回路設計
Eagleには優れた回路設計機能があり、一般的に最も必要とされる機能が備わっています。しかし、階層設計のボトムアップ開発、コントロールされた再利用、標準グリッドの外側のスナップには、いくつかの明確な制限があります。ユーザーインターフェースがWindowsの世界とは大きく異なるため、習得に時間が必要で、大きな頭痛の種となる可能性があります。
Altium Designerでの回路設計
Altium Designerでの回路設計テクノロジーは、他のテクノロジーとは一線を画すものとして長い間、認知されてきました。Altium Designerの回路図機能は、技術者や設計者にとって学びやすく、比較的単純な単一シートの回路図から、複雑な回路図シンボルを使用する、複雑で何枚ものシートにわたる階層的なプロジェクトまで、あらゆる設計について迅速に生産性を向上できます。これは、次のような理由のためです。
現代的で効果的な統合回路図エディター
- 直感的なダイアログ、例えば、編集ワークスペースにより迅速、かつ簡単に回路設計を開始でき、シートの設計、パラメータ、環境設定、関連ドキュメントを確立できます。バージョン管理も即座に行えます。
- 直感的な環境で、コンポーネントクラス、ネットクラス、ルームを簡単に設定でき、生産性が増大します。
- 統合ライブラリから認定済みコンポーネントを迅速に選択して配置し、コンポーネントのサプライヤーへリアルタイムのリンクを表示します。
- 効果的なECO機能を活用して、回路図を新しいPCBへ転送し、回路図、またはPCB上で既存のデザインを変更し、回路図と基板を同期し、比較して相違点を解決できます。
- 内蔵のXSPICE/SPICE3F5(PSpice®モデルと互換)回路シミュレータを使用して、環境を離れないで回路を検証できます。
Eagleのルールと制約
EAGLEは基本的なマトリクス駆動の方法で、要素やネットクラスについて最小クリアランス、ファイル、および幅の定義を構成できます。PCB上の異なるレイヤーや特定の領域を考慮した、より複雑なルールは定義できません。これには、部分的なネットについての長さの定義も含まれます。これらは、DDR3、または4テクノロジーのような高速設計や、直列終端を持つ差動ペアには不可欠なものです。
Altium Designerのルールと制約
Altium Designerには、統一された使いやすさを損ねないよう、合理化されたPCBルール、および制約エディターが用意されており、設計プロセス全体をより的確にコントロールできます。
制約駆動のPCB設計とデザインルール チェック
- ルールの参照、作成、優先度付け、範囲の定義、編集、複製、削除をすべて、1つのエディターで実行できます。
- 表ベースの概要を使用して明快なレビューを行い、ルールを評価できます。
- 同じ種類のルールを複数、異なるオブジェクトを対象として定義できます。
- ルールの優先順位と、対象オブジェクトへどのように適用されるかを、クエリーによって正確に判断できます。
- 高度なクエリーオプションを使用して、独自の、より複雑なクエリーを作成できます。
- 新しいルールウィザードの詳細な手順ガイドにより、新しいルールを作成できます。
Eagleでの配置と配線
PCBの境界内にコンポーネントを配置できるだけなので、回路図からPCBへの同期により自動的に発生する、コントロール不能で未整理のコンポーネントの混乱を、開発者が整理することが制限されます。コンポーネントを、その目的の作業に従って整理して配置し、モジュール間を配線するのは、この方法では不可能です。ほとんどの配線作業が既に完了している時点で調整することは、さらに面倒です。この場合、最後のトラックのセットを配線するために、多くの場合は他のトラックを移動する必要があります。設計者が配線プロセスを行いやすくするには、これらのトラックを手動で削除してから再描画する以外の方法が必要です。
Altium Designerでの配置と配線
PCB上のコンポーネントを整理し、効率的に配置することは極めて重要です。Altium Designerには、コンポーネントの正しい配置を保証し、可能な限り効率的な基板レイアウトを作成するための拡張機能があります。
Altium Designerでの配線
- コンポーネントを動的に配置、ドラッグし、基板レイアウト上の他のコンポーネントを押しのけたり、回避したり、他のコンポーネントと位置合せしたりできます。
- 複数のコンポーネントを簡単に配置揃えできるため、基板のレイアウトを整理して整然とした状態に維持できます。
- ワークスペース内のオブジェクトにマスクやフィルターを適用し、基板の表示を向上できます。
- レイヤー構成マネージャーを使用して全てのレイヤーをコントロールし、配線レイヤーを最適化できます。
Altium Designer ActiveRoute®での迅速で高品質な配線
Altium Designerに組み込まれているActiveRouteは、インタラクティブ配線の新しい手法を使用しています。接続を選択すると、ActiveRouteにより高品質な配線が生成され、手作業での配線よりもはるかに短い時間で作業が完了します。基板設計が高度にインタラクティブなプロセスであり、技能のある設計者が強力なツールをコントロールした場合に最良の結果が得られるという現実を踏まえて、ActiveRouteではオートルーターに基板全体の配線を任せることはしません。Altium Designerでは、目的の接続や配線の選択を簡単かつ直感的にコントロールできるようにして、この目標を達成しています。
他のインタラクティブな配線テクノロジーとは異なり、ActiveRouteは複数のレイヤーに対して同時に動作し、設計の制約を順守するため、ルール違反を気にする必要はありません。差動ペアや、ルームベースの幅の要件など、現代的な設計技法の強力なサポートも受けています。ActiveRouteでは、大きく、ピッチの小さいBGAでも、配線する場所を指示する(すなわち、レイヤーを選択し、ガイド経路を描画する)と、配線の面倒な作業が自動的に行われます。
ActiveRouteの補完として、Glossingエンジンが選択された配線を注意深く分析、整理、短縮します。またGlossingエンジンには [Retrace Selected] コマンドもあり、選択された配線を現在の配線ルール設定に従って更新するために使用できます。これによって既存の電力配線を太くする、または差動ペアを新しい幅およびギャップ設定に更新するなどの操作を行えます。複数のレイヤーを同時に配線することで、より高速に配線でき、トレースが均等に分散されて、配線を完成させる能力が大幅に向上します。その結果、美しく、熟練者が手掛けた、手作業のような、見栄えの良い配線が、何時間もの手作業を行わずに完成します。
ActiveRouteの配線長チューニングの適用前と適用後(わずか25秒で完了します)
Altium Designerの配置、および配線機能の他の優位点
- 効果的なインタラクティブ配線モードと、インテリジェントな配線支援により、手動配線プロセスのストレスがなくなります。
- 管理された回路図シートやコンポーネントライブラリ テンプレートを使用して、最も信用できる設計資産を簡単に保存、共有、再利用できます。
- テストポイント、スルーホールパッド、およびテストポイント間隔の間の、拡張されたテストポイントのクリアランスチェックにより、クリアランスチェックをより詳細にコントロールできます。
- 穴の端やパッドの端からのユーザー定義可能な開口オプションにより、ソルダーマスクをより正確に開口できます。
- Native 3Dでリジッドフレキシブル基板のレイアウトをインテリジェントに配線できます。
Altium Designerには、より強力で競合製品より優れた配置および配線機能が、常に追加され続けています。これらの機能により、生産性の向上、主要なPCB設計業務の合理化、市場へリリースするまでの時間短縮を実現できます。
xSignals - 高速トポロジー用の自動化された高速信号
Altium Designerの新機能やもたらされる多くの利点については、Altiumの製品Webサイト(https://www.altium.com/altium-designer)をご覧ください。
Eagleでの設計共同作業
機構的な機能や3D機能は、Eagle環境に含まれていません。最初の段階として、IDF 3Dエクスポート、およびスクリプトを使用して3Dデータを生成できるようになりましたが、Eagle自体は2D PCBエディターでしかなく、クリアランスチェックのためにはFusion 360™や他のMCADツールにエクスポートする必要があり、配置の問題を解決するには時間がかかり、繰り返し作業が必要になります。
Aitium Designerでの設計共同作業
Altium Designerは、Native3D™ PCBエディター エンジンによる3D編集機能と、ECAD/MCADとの共同作業により、設計の変更を視覚化、比較、結合、追跡、コメントできるようにした、最初のPCB設計製品です。電気的および機械的な設計データは、ワークフローへスムーズに統合され、変更をリアルタイムで識別できます。これによって、電気的および機械的な技術業務を同時に、並行して行うことができます。
Native3D™ PCB
基板が筺体へどのように収まるかを正確に視覚化し、衝突エラーを数秒で修正できます。コンポーネントと筺体についてリアルタイムのクリアランスチェックを実行し、折りたたんだSTEPモデルを生成できます。
リジッドフレキシブル3D PCBモデル
Altium Designerでは、他のツールに無い3Dリジッドフレキシブル設計を対応しています。この機能により、材料の選択を簡単に定義し、リジッドフレキシブル基板のレイアウトをインテリジェントに配線してから、設計結果を3Dで動的に視覚化し、折りたたんでいる/折りたたんだ状態の基板に違反が発生してないことをリアルタイムで確認できます。
相互接続されたマルチボードアセンブリ
Altium Designerでは複数の基板を接続できる設計領域のほか、システム全体の接続の管理、矛盾の解消、システムの子プロジェクトの更新に対応する機能が提供されています。また、最先端の3Dマルチボードアセンブリ エディターを使って、個別の基板を回転、整列、相互接続することもできます。ここでは、他の基板やアセンブリ、STEPフォーマットのMCADモデルなど、他の部品をインポートしてアセンブリに配置することも可能です。
Altium Designerでは、システムレベルの設計機能を電子製品の開発プロセスで使用できるため、ネットが適切に割り当てられているか、コネクタが正しい方向を向いているか、プラグイン基板が正しく組み合わされているか、接続した基板が全て筐体に収まっているか、などを検証できます。これによって、開発の後期段階で問題が発生し、大きなコストが発生したり、市場へのリリースが遅延したりすることを最小限に抑えられます。
マルチボードアセンブリの管理
Altium Designerによる実装、および製造の合理化
Draftsman®は、Altium Designer内から直接、利用できる、効果的なPCB設計ドキュメントの自動作成ツールです。テーブル、PCBデザインビュー、レイヤースタックレジェンド、その他の詳細を自動的に作成できます。描画ドキュメントはソースPCBドキュメントとリンクしているため、常に正確で同期が維持されます。
マルチボードアセンブリの管理
評価を行うには
全ての機能を15日間使用できる、評価用のライセンスをhttps://www.altium.com/free-trialでお求めください。
Eagle、およびFusion 360はAutodesk Inc.の商標、PSpiceはCadence Design Systems Inc.の登録商標で、Altiumが権利を主張するものではありません。