シグナルインテグリティ解析結果の操作

概略

この記事では、Altium Designerでシグナルインテグリティ解析の結果を読み取り、活用する方法を解説します。反射解析とクロストーク解析のデータがSDFドキュメント内でどのように整理されるか、チャート、プロット、波形が何を表すか、また、終端設定やスイープオプションによって表示内容がどのように変わるかに焦点を当てます。さらに、レイアウト後の解析で得られた波形からPCBへクロスプローブする方法や、解析を繰り返し実行して同じシミュレーションデータファイルに結果を蓄積した際の動作についても説明します。シミュレーション出力が何を示しているかをより深く理解し、その結果を次の設計判断に活かしたい方は、ぜひこの実践的なガイドを読み進めてください。

- 反射解析とクロストーク解析の結果が、チャート、プロット、波形としてどのように構成されるかを学びます。
- 有効になっている終端とスイープ設定によって、各ネットやピンの表示データがどのように変わるかを理解します。
- 波形の結果からPCBへクロスプローブする方法と、追加の解析を実行した際に結果がどのように保存されるかを確認します。
AIでさらに深掘り:

設定して実行したシグナルインテグリティ解析で生成されるSDFドキュメント には、解析対象として選択したネットに対応する1つ以上のタブが含まれます。各タブにはチャートがあり、チャートには複数の波形プロットを含めることができます。波形プロットには複数の波形を含めることができ、各波形がシミュレーションデータを表します。

シグナルインテグリティ解析結果へのアクセス。 下部のタブをクリックすると、各解析タイプの結果にアクセスできます。
シグナルインテグリティ解析結果へのアクセス。 下部のタブをクリックすると、各解析タイプの結果にアクセスできます。

  • SimDataエディターは、MixedSim解析の実行によって生成されたシミュレーションデータの操作にも使用します。SDFドキュメント内のチャート、プロット、波形の操作について詳しくは、 シミュレーション結果の操作 – チャート、プロット、波形 ページを参照してください。
  • シグナルインテグリティ解析を実行するとき、生成されるプロットのX軸の範囲 は、Signal Integrity Preferences ダイアログのConfiguration タブにあるTotal Time (s) オプションによって決まります(このダイアログにはSignal Integrity パネルからアクセスします)。

反射解析データ

選択したネットごとに、シミュレーション結果のチャートが生成され、SDFドキュメントの対応するタブにはネット名が表示されます。チャートには、すべての終端オプションの波形が含まれます。

反射解析チャートに表示されるデータは、次の条件によって異なります。

  • 解析対象ネットのピン数
  • 有効にした終端タイプ(Signal Integrity パネルで設定)
  • 解析に(仮想)終端部品の値のスイープを含めるかどうか(これもSignal Integrityパネルで有効化および設定)

終端部品なしで反射解析を実行した場合、チャートには解析対象ネットのピンごとに1つのプロットが含まれます。各プロットには、終端を使用しない場合の、そのピンの解析結果を示す波形が1つ含まれます。たとえば、次のピンを含むネットRTSBの反射解析を考えてみます。

  • U1のピン12
  • U3のピン4
  • U3のピン5

終端を有効にしていない場合、このネットについて次のチャート(プロットと波形)が作成され、表示されます。波形名は、ネット名、対象のピン、終端タイプ(この場合は終端なし)に基づいて作成されます。

反射解析結果 – 終端なし
反射解析結果 – 終端なし

値のスイープを有効にせずに特定の終端タイプを有効にすると、それぞれの終端を使用して得られた結果を表す波形が各プロットに追加されます。以下の画像は、わかりやすいように、すべての終端タイプを有効にした場合を示しています。

反射解析結果 – 終端を有効化(スイープなし)
反射解析結果 – 終端を有効化(スイープなし)

終端と終端値のスイープの両方を有効にした場合(スイープステップが2つ以上)、解析対象ネットの各ピンと、有効にした各終端の組み合わせごとにプロットが生成されます。各プロットには、その終端の各スイープステップの波形に加えて、比較用の終端なしの波形が表示されます。以下の画像 は、例として取り上げたRTSBネットについて、2種類の終端(Serial ResとParallel Res to VCC)を有効にし、Sweep Stepsを2に設定してスイープ機能を有効にした場合の表示を示しています。

反射解析結果 – 終端を有効化、スイープあり。
反射解析結果 – 終端を有効化、スイープあり。

クロストーク解析データ

クロストーク解析では、すべてのネットがCrosstalk Analysisという名前のチャートに表示されます。 クロストーク解析チャートのデータ表示は、基本的に反射解析チャートと同じです。唯一の違いは、この解析タイプにはチャートが1つしかないため、解析対象の各ネットの各ピンに対応するプロットが、そのチャートに含まれることです。以下の画像は、DTRA(アグレッサーネットとして設定)とRTSA(デフォルトでビクティムネットになる)の2つのネットを対象としたクロストーク解析の例を示しています。特定の終端タイプは有効にしていません。

クロストーク解析結果 – 終端なし
クロストーク解析結果 – 終端なし

PCBへのクロスプローブ

設計のレイアウト後のシグナルインテグリティ解析を実行した場合は、選択した波形からPCBへのクロスプローブを利用できます。

クロスプローブを行うには、対象の波形名を右クリックして、Cross Probe to <DocumentName>.PcbDocコマンドを選択します。PCBドキュメントがアクティブになり、解析対象ネットの対応するピンがハイライト表示されます。この表示も、PreferencesダイアログのSystem – Navigationページで定義されたHighlight Methodsに従います。

PCBへのクロスプローブの例。ネットHB19に接続された部品HDR3のパッド19がハイライト表示されています。
PCBへのクロスプローブの例。ネットHB19に接続された部品HDR3のパッド19がハイライト表示されています。

結果を検討した後に

結果を検討したら、たとえばさまざまな終端を試して、選択したネットのリンギングを抑えることができます。また、目的の結果が得られるまで、回路やPCBを変更してシグナルインテグリティ解析を再実行する必要がある場合もあります。

その後、別のネットで反射解析やクロストーク解析を実行すると、その結果は同じシミュレーションデータファイルに追加され、新しいチャート(SDFドキュメント下部のタブ)として表示されます。

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