Altium Designer でキャプチャしたマルチボードシステムの設計更新を実行する
マルチボード回路図設計と、それに含まれる子PCBプロジェクト間の同期を維持するために、マルチボード設計ではピン/ネットデータの双方向交換がサポートされています。接続データは子プロジェクトからマルチボード設計にインポートでき、またマルチボード設計の接続データをソースPCBプロジェクトに戻すことも可能です。
子プロジェクトからのインポート
マルチボード設計の過程では、ソースとなる子プロジェクトも同時に開発が進められることが多く、それらの変更をマルチボード設計に取り込んで(同期させて)いく必要があります。この更新プロセスは、エンジニアリング変更命令(ECO)を介して子設計をマルチボード設計スペースに再インポートすることで実現されます。ピン/ネットデータのこの交換により、マルチボード設計とその構成ボード間の接続データを同期した状態に保つことができます。
マルチボード設計内のすべての子プロジェクトから変更をインポートするには、メインメニューまたはデザインスペースの右クリックメニューから
現在のマルチボード設計の接続性と子プロジェクトの接続データに差異が検出された場合は、
差異がない場合は、比較アラートダイアログがその旨を示し、つまり、マルチボード設計と子プロジェクトの同期を維持するために変更は不要であることを示します。
実行されたECOは、現在のマルチボード設計の接続性と子プロジェクトからインポートされた接続データとの間にある差異を記録します。この情報はConnection Managerダイアログ(
子プロジェクトの更新
マルチボード設計の接続データは、子プロジェクトの
コマンドを実行すると、デザインエディタはマルチボード設計と子プロジェクトの接続データを比較します。差異が検出された場合は、続く
ここで示す例では、LCDボード子プロジェクト(マルチボード設計内のM2)のコネクタHDR1でRSとRSWネットが入れ替わっている場合、ECOはソースプロジェクトでネットを同期させるためのピンスワップを提案します。
ECOが実行されると(オプションで検証後)、LCDモジュール子プロジェクトのHDR1コネクタのピンが入れ替わります。
ネット名の不一致など、他に検出・解決された変更についても、子プロジェクトのターゲットに直接更新を行うことで同期されます。