アパーチャのサポート
概略
- アパーチャ定義が自動的にインポートされる場合と、別途アパーチャリストが必要になる場合を理解します。
- アパーチャリストウィザードをカスタマイズし、エラー情報を使ってインポートやテンプレートの問題を修正する方法を学びます。
- Dコード、寸法、複雑な形状のパラメーターなど、アパーチャ定義を作成・編集する方法を詳しく見ていきます。
PCBの各レイヤーは、光で露光した写真フィルムから作成されます。アパーチャとは、フィルムに照射する光を通す物理的な開口部です。CAMデータには、アパーチャの定義(サイズと形状)に加えて、アパーチャを通して光をフラッシュ露光する位置や、光を照射したまま位置を移動してフィルム上に線を描くための指示が含まれています。異なるアパーチャを使ってフィルムをフラッシュ露光することで、さまざまなサイズのパッドを作成します。また、大きいアパーチャや小さいアパーチャを通した光をフィルム上で移動させることで、太い配線や細い配線を描きます。
技術の進歩に伴い、PCB製造工程から物理的なアパーチャが完全になくなる可能性があります。現在でも、多くの最新のレーザープロッターでは物理的なレンズ開口が不要となっており、ラスター処理によって対応する形状をフィルム上に再現しています。
これまでのところ、こうした進歩によってCAM画像に関する用語が変わることはありません。実際に物理的なアパーチャを通して画像をフィルムに転写するかどうかにかかわらず、すべてのCAMファイルにアパーチャリストが必要です。新しく作成するCAMドキュメントには、空のアパーチャテーブルが含まれています。RS-274-X Gerber形式やODB++データなど、アパーチャ定義が埋め込まれたCAMデータをインポートすると、このテーブルに自動的にデータが入力されます。GerberのRS-274-Dなど、アパーチャ定義が埋め込まれていない形式をインポートする場合は、アパーチャリストも用意する必要があります。
アパーチャリスト
Gerber形式は標準化されていますが、アパーチャリストは標準化されていません。CAMエクスポーターごとにアパーチャのキーワードや指定子の形式が異なるため、アパーチャリストのインポートが難しくなることがあります。CAMエディターには、一般的な形式に加えて、使用する可能性のある多くの旧形式にも対応する数十種類のアパーチャリストウィザードが用意されており、この負担を軽減します。通常受け取るデータに合わせてウィザードを変更する必要がある場合や、新しいウィザードを一から作成する場合は、個々の行形式を編集することで対応できます。
アパーチャリストをインポートする際は、検出を自動に設定できます。この設定では、定義済みのすべてのアパーチャウィザードを検索し、ファイルをエラーなくインポートできるものを探します。CAMエディターでは、必要に応じてこれらすべてのウィザードにアクセスし、変更できます。
すべてのアパーチャリストウィザードには、全般設定と行形式の指定があります。全般設定には、アパーチャ行の読み取りを開始および終了する位置、使用する単位と倍率、1行に複数のアパーチャ定義を含められるかどうかなどの情報が含まれます。
個々の行形式は、形状ごとのタグとキーワードで定義されます。CAMエディターには、ODB++形式でサポートされるすべての形状を含め、多数の組み込み形状が用意されています。一部の形状では同じタグを使用します。ひし形、弾丸形、楕円、長方形、長円はいずれも幅と高さで定義されます。より複雑な形状では、追加のパラメーターが必要です。アパーチャウィザードを新規作成または編集する際は、タグの順序と形式を、インポートするアパーチャリストに記載されている値に合わせる必要があります。
たとえば、CAMエディター独自のウィザードでは、各行形式がDコードタグ「<D>」で始まります。続いて形状を名前で指定し、その後に寸法を記述します。行形式内のタグ間のスペースは、文字間の空白に対応するため、連続したスペースやタブ区切りに対応する場合があります。文字列タグ「<S>」は、こうした空白で区切られた任意の文字列を表します。
アパーチャリストのインポートでエラーが発生すると、その内容が報告されます。リストのインポートが続行される場合もありますが、エラーを特定し、それに応じてウィザードを更新してから、アパーチャリストを再度インポートすることをお勧めします。
次の表は、CAMエディターが認識するすべてのタグの一覧です。この記事の後半では、エディターでサポートされる各形状の例と、各タグが形状にどのように対応するかを示す寸法を紹介します。
メインメニューから Tables » Aperture List Wizard コマンドを選択して開く Aperture Wizard ダイアログでは、新しいアパーチャウィザードテンプレートを作成したり、既存のテンプレートを編集したりできます。CAMtasticエディターは、アパーチャテンプレートを使用してインポートしたファイル内のアパーチャを認識し、正確なDCodeリストを作成します。
このダイアログは、次の3つのタブに分かれています。
- Settings タブ – このタブでは、必要なテンプレートの名前と関連する拡張子を定義します。また、このタブの追加オプションでは、ファイル内でアパーチャ定義を検索する場所、使用する単位、インポートするファイルの各行で複数のアパーチャ定義を検索するかどうかを指定できます。
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Line Formats タブ – このタブでは、テンプレートが認識できるすべての形状とデータシーケンスを定義します。Shape フィールドで、該当する形状をドロップダウンリストから選択します。Line Format フィールドに、選択した形状のデータシーケンスを入力します。指定する各形状の行形式には、次の要素を含める必要があります。
- アパーチャ位置の型指定子(例:<A> または <D>)。
- 形状の記述(例:"ROUND"、"RECTANGULAR"、"OCTAGONAL" など)。
- 少なくとも1つのサイズの型指定子(例:<W>idth、<H>eight など)。
特定の形状の行形式を作成する最も簡単な方法は、アパーチャファイルからその形状の情報行を Line Format フィールドに貼り付け、行内の実際のデータを適切な型指定子に順次置き換えることです。型指定子は、Shape ボタンの右側にある型指定子のドロップダウンリストから選択します。
- Parse Errors タブ – このタブには、テンプレートを保存しようとした際に、Settings タブまたは Line Formats タブに入力された情報から検出されたエラーが一覧表示されます。
ウィザードテンプレートを必要に応じて定義したら、Save ボタンをクリックします。入力したすべての情報にエラーがなければ、テンプレートファイル(<WizardName>.awr)が作成され、ソフトウェアのインストール先にある System\aptwiz フォルダーに保存されます。エラーがある場合は、ダイアログの Parse Errors タブに一覧表示されます。そこに表示された情報を参考にエラーを修正し、Save ボタンを再度クリックします。
アパーチャテーブル
アパーチャテーブルは、現在のドキュメントで定義されているすべてのアパーチャを1つの表に一覧表示します。このテーブルは、メインメニューから Tables » Apertures コマンドを選択するか、Shift+A キーボードショートカットを使用して開く Edit Apertures ダイアログに表示されます。各アパーチャにはDCodeが割り当てられています。たとえば、ワークスペースでオブジェクトを描画する際は、DCodeを使用して描画に使うアパーチャを指定します。作成する各アパーチャには、形状とサイズを定義する必要があります。形状によっては、さらに特別な属性を割り当てることもできます。このダイアログを使用して、既存のアパーチャの定義を編集したり、新しいアパーチャを作成したりできます。
すべてのアパーチャ形状に共通するタグはありません。代わりに、アパーチャテーブルにはSize (X:Y)列がありますが、この値が水平寸法と垂直寸法に対応するとは限りません。正方形や円形など、寸法が1つだけの形状では、このテーブルに入力したY値は無視され、X値で上書きされます。
その他のすべての形状では、X値は水平方向の寸法または主となる寸法、Y値は垂直方向の寸法または副となる寸法です。たとえば、ドーナツ形状には内径と外径の2つの寸法があります。外径は内径を制限するため、X値が外径になります。追加のタグは、Aperture Dataダイアログのフィールドに対応します。このダイアログは、モアレなどの複雑な形状で、対応するParameters列内をクリックすると表示されます。複雑な形状では、 Rotation (deg)ドロップダウンから目的の回転角度を選択することもできます。
Edit Aperturesダイアログのアパーチャテーブルで、SizeまたはParametersフィールドにマウスポインターを合わせると、図のように、その形状に対応するタグと値を示すツールチップが表示されます。
サポートされるアパーチャ形状
以下は、CAMエディターでサポートされるアパーチャ形状の一覧です。各形状について、そのプロパティを定義するために使用するタグも示しています。
Bullet
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Butterfly
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Butterfly Square
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Diamond
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Donut
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Donut Square
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Ellipse
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Hexagon Horizontal
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Hexagon Vertical
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Moire
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Oblong
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Octagon
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Rectangle
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Rectangle Chamfered
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Rectangle Rounded
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Round
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Square
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Target
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Thermal
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Thermal Rectangle
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Thermal Rectangle Open
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Thermal Round
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Thermal Square
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Thermal Square Open
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Thermal Square Round
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Triangle
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描画パッドのフラッシュアパーチャへの変換
選択した描画パッドをフラッシュアパーチャに変換し、表現するオブジェクトに応じて新しいアパーチャを自動的に作成して割り当てるには、メインメニューから Edit » Groups » Automatic コマンドを選択します。コマンドを実行すると、カーソルが小さな四角形に変わり、変換モードになります。操作手順は次のとおりです。
- フラッシュパッドに変換する描画パッドをクリックして選択します。
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必要なパッドをすべて選択したら、右クリックします。Draw Flash (Auto-Detect) ダイアログが表示されます。このダイアログでは、次の設定を行えます。
- ダイアログの Shape/Dcode for New Flashes 領域では、選択したパッドに既存のDコードを割り当てるか、新しいDコードを作成するかを選択できます。Create New Dcode オプションを選択すると、Shape フィールドで選択した形状が選択範囲内のすべてのパッドに適用され、表現するパッドに応じてサイズが自動的に調整されます。CAMtasticエディターは必要なサイズを検出し、最初の使用可能な(空の)Dコードから順に、新しい各インスタンスにDコードを自動的に割り当てます。
- Use Dcode オプションを選択すると、各パッドの違いにかかわらず、選択範囲内のすべてのパッドに同じDコードが適用されます。
- 変換後のフラッシュを、同じレイヤー、新しいレイヤー、または現在のドキュメント内の既存のレイヤーのいずれかに描画するよう選択できます。
- このダイアログでは、ほかにもさまざまな変換オプションを設定できます。たとえば、選択範囲内で同一のパッドを照合する際のフラッシュ許容差や、元のパッドを保持するか完全に削除するかを指定できます。
- 必要に応じてオプションを設定し、OK をクリックすると変換が実行され、選択範囲内のすべてのパッドが適切なフラッシュアパーチャに置き換えられます。
- 続けてほかの描画パッドをフラッシュアパーチャに変換するか、右クリックするか Escを押して終了します。
選択した描画パッドと一致するすべてのインスタンスを検索し、ユーザー定義のフラッシュアパーチャに置き換えるには、メインメニューから Edit » Groups » Selective コマンドを選択します。コマンドを実行すると、カーソルが小さな四角形に変わり、変換モードになります。操作手順は次のとおりです。
- 変換の基準として使用する描画パッドをクリックして選択します。
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テンプレートとなる描画パッドを選択した状態で、右クリックします。Draw Flash (Selective) ダイアログが表示されます。このダイアログでは、次の設定を行えます。
- ダイアログの Shape/Dcode for New Flashes 領域では、使用する既存のDコードを割り当てるか、新しいDコードを作成するかを選択できます。Create New Dcode オプションを選択すると、新しいアパーチャの形状とサイズの両方を指定できます。CAMtasticエディターは、この新しいアパーチャを次の使用可能な(空の)Dコードに自動的に割り当てます。
- 変換後のフラッシュを、同じレイヤー、新しいレイヤー、または現在のドキュメント内の既存のレイヤーのいずれかに描画するよう選択できます。
- このダイアログでは、ほかにもさまざまな変換オプションを設定できます。たとえば、最初に選択したパッドと一致するパッドを検索する際のフラッシュ許容差や、元のパッドを保持するか完全に削除するかを指定できます。
- 必要に応じてオプションを設定し、OK をクリックするとデザインスペースに戻り、フラッシュに変換する領域全体を選択するよう求められます。デザイン全体を囲むように選択ボックスをドラッグし、領域が選択されたら右クリックします。選択されたオブジェクトが最初に選択したパッドと比較され、一致するすべてのオブジェクトが定義したアパーチャに変換されます。
- 他の描画パッドを選択してフラッシュアパーチャへの変換を続けるか、右クリックするか、 Escを押して終了します。
カスタムアパーチャの作成
現在のドキュメントで選択した1つ以上の描画オブジェクトから、新しいカスタムアパーチャを作成できます。作成するには、メインメニューから Edit » Groups » Draw to Custom Aperture コマンドを選択します。 コマンドを実行すると、カーソルが小さな四角形に変わり、カスタムアパーチャ作成モードになります。手順は次のとおりです。
- 変換対象の描画オブジェクトをクリックして選択します。
- 必要な描画オブジェクトをすべて選択したら、右クリックします。Enter Value ダイアログが表示され、カスタムアパーチャの名前を入力できます。
- 名前を指定して OK をクリックすると、選択した描画オブジェクトがドキュメントから削除され、作成された新しいカスタムアパーチャが Edit Apertures ダイアログ(Tables » Apertures)に追加されます。アパーチャには次に使用可能な(空の)Dコードが割り当てられ、形状は Custom に設定されます。また、指定した名前が Parameters フィールドに表示されます。
- 他のオブジェクトを選択してカスタムアパーチャへの変換を続けるか、右クリックするか、Esc を押して終了します。
カスタムアパーチャオブジェクトを構成要素である基本オブジェクトに分解するには、メインメニューから Edit » Explode » Custom Apertures コマンドを選択します。 コマンドを実行すると、カーソルが四角形に変わり、カスタムアパーチャ分解モードになります。手順は次のとおりです。
- 分解するカスタムアパーチャオブジェクトを選択します。選択対象のカスタムアパーチャオブジェクトにカーソルを合わせてクリックします。オブジェクトのない場所でクリックすると、選択領域をドラッグして複数のオブジェクトを選択できます。選択は累積されます。
- すべてのカスタムアパーチャオブジェクトを選択したら、右クリックします。選択したカスタムアパーチャオブジェクトが、構成要素である基本オブジェクトに分解されます。
- 分解するカスタムアパーチャオブジェクトの選択を続けるか、右クリックするか、Esc を押してカスタムアパーチャ分解モードを終了します。