回路図における差動ペアの定義

概略

この記事では、Altium Designerの回路図で差動ペアディレクティブを使用して差動ペアを定義する方法を説明します。必須となる_Pおよび_Nを使ったネットの命名方法、個々のネットへのディレクティブの配置方法、ブランケットを使用して複数のネットにまとめて適用する方法、そして設計をPCBに転送した際に作成される項目について解説します。また、Constraint Managerを使用する際の重要な動作として、自動的に転送されるものとされないものを取り上げ、関連するネットクラス、差動ペアクラス、配線ルールを回路図のディレクティブから取り込む方法も明確にします。PCBレイアウトに進む前に、回路図で差動ペアを正しく設定する方法をしっかり理解したい方は、ぜひこのままお読みください。

- ディレクティブ、必須のネットラベル接尾辞、パラメータセットの配置を使用して、回路図で差動ペアを定義する方法。
- 多数の差動ペアを一括定義する際に、個別のディレクティブとブランケットを使い分ける方法。
- PCBに転送される内容と、Constraint Managerの動作、クラス、配線ルールの作成に関する重要な注意点。
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回路図上の差動ペアは、差動ペアディレクティブを使用して定義できます。ペアを構成する2つのネットには、それぞれ共通のネットラベルに接尾辞_Nおよび_Pを付けて識別し、各ネットにディレクティブを接続する必要があります。

Constraint Manager機能を使用する場合、差動ペアディレクティブで定義されたネットクラス、差動ペア、 差動ペアクラス、およびルールは、回路図からPCBを更新する際に検出も転送もされないことに注意してください。Constraint Managerで定義されたネットクラス、差動ペア、 差動ペアクラス、およびルールのみが転送されます。

回路図からConstraint Managerにアクセスした場合、PhysicalまたはElectricalビューの右クリックメニューにあるImport from Directivesコマンドを使用して、回路図に配置されたディレクティブから ルール、 ネットクラス、差動ペア、および 差動ペアクラスをインポートできます。 詳細はこちら。

差動ペアのカスタム接尾辞は、 Project OptionsダイアログのOptionsタブにあるDiff Pairsセクションで定義できます。

メインメニューからPlace » Directives » Differential Pairコマンドを選択して、差動ペアディレクティブを配置します。このコマンドは、差動ペアディレクティブとして事前設定されたパラメーターセットオブジェクト(Label = DIFFPAIR)をアクティブなドキュメントに配置します。ディレクティブの各ペア(正側ネット用と負側ネット用の各1つ)は、PCBへの転送時に1つの差動ペアオブジェクトになります。

回路図にディレクティブを配置して差動ペアを定義します。この例では、V_RX1とV_TX1という名前の2つの差動ペアがPCBに生成されます。
回路図にディレクティブを配置して差動ペアを定義します。この例では、V_RX1とV_TX1という名前の2つの差動ペアがPCBに生成されます。

PCB側では、生成された各差動ペアオブジェクトが、デフォルトの差動ペアクラスである<All Differential Pairs>に追加されます。差動ペアオブジェクトの名前を変更できるのはPCB側のみです。

ネットタイプのオブジェクトにディレクティブを適用するには、上図のように、Parameter Set ディレクティブオブジェクトがネットオブジェクトに接触するように配置します。ソフトウェアは、その Parameter Set オブジェクト内のデザインルールやクラスの存在を検出し、設計の同期時にそれらを PCBに出力します。

► パラメーターセットオブジェクトの詳細

定義するペアが多数ある場合は、別の方法としてブランケットディレクティブも配置できます。これにより、ブランケットの下にある複数のネットにディレクティブを適用できます。Altium Designerは、ネットラベルのホットスポットがブランケットの境界内にあるネットを検出します。下図のように、1つの差動ペアディレクティブをブランケットの端に接触するように配置します。

この図では、含まれるネットを差動ペアのメンバーとして定義する指示(差動ペアディレクティブの存在による)に加えて、このディレクティブが、含まれるすべてのネットをネットクラスRocketIOのメンバーにし、各ペアを差動ペアクラスROCKET_IO_LINESのメンバーにし、さらに差動ペア配線ルールを作成するよう指示していることも示しています。同じ差動ペアディレクティブ内でネットクラスが指定されているため、設計がPCBエディターに転送されると、 PCBエディターでは、このルールの適用範囲がRocketIOネットクラスを対象とするように設定されます。

PCBルールの自動作成機能は、作成された差動ペアクラスへの差動ペア配線ルールの割り当てには対応していません。ただし、差動ペアディレクティブにネットクラスが含まれていれば、ネットをそのネットクラスに自動的に割り当てることはできます。この場合、PCBエディターに、このネットクラスを対象とする単一の差動ペア配線ルールが作成されます。その後、ルールを編集して、代わりに差動ペアクラスを対象にすることができます。ネットクラスが含まれていない場合は、ブランケットの下にある差動ペアごとに個別の 差動ペア配線ルールが作成されます。

ブランケットを使用すると、複数のネットを差動ペアのメンバーとして設定し、これらのネットの差動ペアクラスとネットクラスを作成し、このネットクラスに差動ペア配線デザインルールを適用できます。
ブランケットを使用すると、複数のネットを差動ペアのメンバーとして設定し、これらのネットの差動ペアクラスとネットクラスを作成し、このネットクラスに差動ペア配線デザインルールを適用できます。

PCBでの差動ペアの配線については、 差動ペア配線 ページを参照してください。
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