PCB上でのユニオン作業

概略

この記事では、Altium DesignerのPCBでユニオンがどのように機能するかを解説し、グループ化したオブジェクトを1つの単位として移動、編集、サイズ変更、選択、削除する方法を紹介します。ユーザー定義ユニオンの作成、ユニオンからのオブジェクトの切り離し、ドキュメント内のすべてのユニオンの解除に加え、PCBパネルを使ってさまざまな種類のユニオンとその構成プリミティブを参照・確認し、ユニオンの名前を変更する手順を説明します。また、ユニオンの一般的な操作に使えるコマンドや、インデックスまたは名前でユニオンを指定するためのクエリキーワードも紹介します。設計内でグループ化したPCBオブジェクトを、よりわかりやすく効率的に管理したい方は、ぜひ読み進めてください。

- Altium Designerでユーザー定義ユニオンを作成、変更、サイズ変更、解除する方法を学びます。
- PCBパネルを使ってユニオンの種類を参照し、構成オブジェクトを確認して、ユニオンの名前を変更する方法を紹介します。
- ユニオンをより効率的に選択・操作するための組み込みコマンドとクエリキーワードについて理解を深めます。
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ユニオンとは、グループ化されたオブジェクトの集合です。ユニオンとしてグループ化すると、単一のオブジェクトとして移動、変更、削除できます。任意に選択したオブジェクトで構成されるユーザー定義のユニオンもあれば、配線長チューニングパターンやビアシールドなど、ソフトウェアが生成するユニオンもあります。 例えば、 基板にビアステッチを配置すると、ソフトウェアが自動的にユニオンを作成するため、ステッチ用のビアを単一のオブジェクトとして認識できます。

ユーザー定義ユニオンの作成と変更

任意のオブジェクト群を選択し、 Tools » Convert » Create Union from Selected Objects、または右クリックの Union サブメニューを使用してユニオンを作成できます。 コマンドを実行すると、選択したオブジェクトをメンバーとするユニオンが作成されます。情報ダイアログに、ユニオンに追加されたオブジェクトの数が表示されます。

現在選択されているユニオンから1つ以上のメンバーオブジェクトを除外するには、対象のユニオンのメンバーオブジェクトをデザインスペースで少なくとも1つ選択した状態で、メインメニューから Tools » Convert » Break objects from Union コマンドを選択するか、デザインスペースで右クリックしてコンテキストメニューから Unions » Break objects from Union コマンドを選択します。 コマンドを実行すると、Confirm Break Objects Unionダイアログが表示されます。このダイアログで、ユニオンから除外するオブジェクト(および、ユニオンの一部として残すオブジェクト)を指定します。

Confirm Break Objects Unionダイアログ
Confirm Break Objects Unionダイアログ

現在のPCBドキュメントで定義されているすべてのユニオンを解除するには、メインメニューの Tools » Convert » Break all objects Unionsコマンドを使用します。それまでメンバーだったオブジェクトのグループ化はすべて解除されます。情報ダイアログに、解除されたユニオンの数と、そこから除外されたオブジェクトの数が表示されます。

選択したユニオンのメンバーオブジェクトのサイズを変更するには(サイズ変更に対応したユニオンタイプの場合)、 対象のユニオン内のメンバーオブジェクト上で右クリックし(選択状態は問いません)、コンテキストメニューからUnions » Resize Unionコマンドを選択します。カーソルが十字に変わり、オブジェクトの選択を求められます。対象のユニオン内のオブジェクト上にカーソルを置いてクリックするか、Enterを押します。ユニオンのメンバーオブジェクトを囲む、非表示の外接矩形の各隅に編集ハンドルが表示されます。ハンドルを使用すると、メンバーオブジェクトのサイズを水平方向と垂直方向で同時に変更できます。 ユニオン内にコンポーネントなどの拡大・縮小できないメンバーオブジェクトがある場合は、その旨が通知され、サイズ変更操作は実行されません。

ユニオンの参照

PCBパネルのUnionsモードでは、ユニオンタイプ、ユニオン、ユニオンを構成するプリミティブの階層表示にアクセスでき、簡単に参照できます。このパネルモードから、ユニオンとその内部のプリミティブを編集することもできます。

PCBパネルのモードをUnionsに設定すると、ユニオンの検索、確認、名前の変更を行えます。
PCBパネルのモードをUnionsに設定すると、ユニオンの検索、確認、名前の変更を行えます。

 PCB パネルの Union モードでは、3つの主要な領域の表示が次のように変わります(上から順)。

  • PCBドキュメント内のすべてのUnion Types(ユーザー定義ユニオン、レイヤースタックテーブルなど)。
  • 上の領域で選択したユニオンタイプに属する個々のUnions。
  • Union Primitive(s) :選択したユニオンを構成するもの。

PCBパネルでUnionsモードを選択すると、PCBエディタのデザインスペース内で検出されたすべてのユニオンがパネルに一覧表示されます。次のタイプのユニオンが存在する場合、一覧に表示されます。

 
 
 
 
 
ユニオンタイプ 操作
ドリルテーブル クリックしてドラッグすると移動します。クリックすると選択され、サイズ変更ハンドルが表示されます。ダブルクリックするとPropertiesパネルが開きます。 パネル内のユニオン名を右クリックすると、名前を変更できます。
配線長チューニングオブジェクト(アコーディオン、トロンボーン、のこぎり波) クリックすると選択されます。辺または頂点をクリックしてドラッグすると形状を変更できます。ダブルクリックするとPropertiesパネルが開きます。パネル内のユニオン名を右クリックすると、名前を変更できます。
レイヤースタックテーブル クリックしてドラッグすると移動します。クリックすると選択され、サイズ変更ハンドルが表示されます。ダブルクリックするとPropertiesパネルが開きます。パネル内のユニオン名を右クリックすると、名前を変更できます。
矩形 クリックしてドラッグすると移動します。クリックすると選択され、サイズ変更ハンドルが表示されます。ダブルクリックするとPropertiesパネルが開きます。パネル内のユニオン名を右クリックすると、名前を変更できます。
スマートペースト(貼り付けられたOLEオブジェクト) クリックしてドラッグすると移動します。クリックすると選択され、サイズ変更ハンドルが表示されます。ダブルクリックするとPropertiesパネルが開きます。 パネル内のユニオン名を右クリックすると、名前を変更できます。
ユーザー定義ユニオン ユニオン内の任意のオブジェクトを右クリックし、Unions » Select All In Unionを選択します。コピー、削除、移動、回転などには、標準の選択操作を使用します。通常の左クリックでは、ユニオンではなくカーソルの下にあるオブジェクトが選択されることに注意してください。パネル内のユニオン名を右クリックすると、名前を変更できます。
ビアシールド クリックすると選択されます。ダブルクリックするとAdd Shielding to Netダイアログが開きます。パネル内のユニオン名を右クリックすると、名前を変更できます。
ビアステッチ クリックすると選択されます。辺または頂点をクリックしてドラッグすると形状を変更できます。クリックしてドラッグすると移動します。ダブルクリックするとAdd Stitching to Netダイアログが開きます。パネル内のユニオン名を右クリックすると、名前を変更できます。

ユニオンの種類

パネルの上部領域には、PCBドキュメント内のすべてのUnion Types(ユーザー定義ユニオン、レイヤースタックテーブルなど)が表示されます。

パネルのこの領域(および他の2つの領域)では、以下の右クリックメニューコマンドを使用できます。

  • Select All – このコマンドを使用すると、パネル領域内のすべての項目を選択できます。
  • Clear Filter – このコマンドを使用すると、デザインスペース内のすべてのフィルタリングを解除できます。

ユニオン

パネルの中央領域には、選択したUnion Typeに含まれる個々のユニオンが表示されます。

パネルのUnion Types領域で使用できるコマンドに加えて、パネルのこの領域では以下の右クリックメニューコマンドを使用できます。

  • Break objects from Union – クリックするとConfirm Break Objects Unionダイアログが開き、 指定したユニオンから選択したオブジェクトを削除できます。

  • Select All In Union – クリックすると、デザインスペース内でユニオンのすべてのプリミティブが選択されます。

    対象のユニオンに属するオブジェクトを右クリックし、コンテキストメニューから Unions » Select All In Union コマンド を選択することでも、そのオブジェクトが属するユニオン内のすべてのオブジェクトを選択できます。
  • Deselect All In Union – クリックすると、デザインスペース内でユニオンの選択済みプリミティブすべての選択が解除されます。

    対象のユニオンを右クリックし、 コンテキストメニューから Unions » Deselect All In Union コマンドを選択することでも、現在選択されているユニオン内のすべてのオブジェクトの選択を解除できます。

  • Resize Union – クリックすると、選択したユニオンのサイズを手動で変更できます。コマンドを実行すると、ポインターが十字カーソルに変わり、ユニオンの構成オブジェクトを囲む非表示の境界矩形の各角に編集ハンドルが表示されます。ハンドルを使用すると、構成オブジェクトのサイズを水平方向と垂直方向で同時に変更できます。

  • Explode Length Tuning To Free Primitives – クリックすると、選択した配線長チューニングユニオンが、その構成要素であるトラックと円弧のセグメントに分解されます。

  • Delete Selected Unions – クリックすると、選択したユニオンがパネルから削除されます。

  • Rename – クリックするとRename Unionダイアログが開き、 ユニオンの新しい名前を手動で入力できます。

    Rename Unionダイアログ
    Rename Unionダイアログ

  • Ignore Dead Copper – クリックすると、選択したユニオンのIgnore Dead Copperオプションが有効になります。このオプションを有効にすると、Design Rule Checkerダイアログで Report Dead Copper larger than オプションが有効になっていても、ネットが割り当てられていないユニオンオブジェクトは、DRCで未接続銅箔として報告されなくなります。

    画像のインポート後に自動的に作成されるユニオン(メインメニューのPlace » Graphicsコマンドを使用)では、 Ignore Dead Copper オプションがデフォルトで有効になることに注意してください。

ユニオンのプリミティブ

パネルの下部領域には、パネルで選択したユニオンに含まれるすべてのプリミティブが表示されます。

パネルのUnion Types領域で使用できるコマンドに加えて、以下の右クリックメニューコマンドを使用できます。

  • Zoom Selected – デザインスペース内で選択したプリミティブを拡大表示し、フィルタリングします。
  • Properties – クリックすると、選択したプリミティブに対応するPropertiesパネルのモード(Trackモードなど)が開きます。プリミティブをダブルクリックすることでも、Propertiesパネルにアクセスできます。

ユニオンのクエリ言語キーワード

ユニオンを操作するために、以下の2つのクエリ言語キーワードを使用できます。

  • InUnion(<Union Index>) - 各ユニオンには数値のインデックスが割り当てられています。このインデックスを使用して対象のユニオンを識別します。数値を入力すると、インデックスの一覧が表示されます。
  • InNamedUnion(<Union Name>) - 各ユニオンには「Union 1」などの名前がシステムによって割り当てられています。この名前またはユーザー定義の名前を使用して、対象のユニオンを識別します。たとえば、下の画像に示すように、 InNamedUnion('Logo-Altium')と指定します。

ユーザー定義の名前によるユニオンの指定
ユーザー定義の名前によるユニオンの指定

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