製造ルールの種類
概略
- Altium Designerのデザインルールの「Manufacturing」カテゴリが対象とする内容を学びます。
- 最小アニュラリングなどのルールが、配線スペースや基板の製造コストに与える影響を理解します。
- 製造性とレイアウト密度のバランスを取ることが、PCB設計において重要な理由を確認します。
Manufacturingカテゴリのデザインルールについて、以下で説明します。
最小アニュラリング
このルールでは、パッドまたはビアに必要な最小アニュラリングを指定します。アニュラリングは、パッド/ビアの穴の端からパッド/ビアの端まで、半径方向に測定します(land perimeterとも呼ばれます)。
制約
最小アニュラリングの制約
| デフォルトルール | 必須ではありません。 |
| Minimum Annular Ring (x-y) | ルールの対象となるパッド/ビアの周囲のアニュラリングの最小値。 |
| IPC規格 |
|
| ドリルブレイクアウトの回避 | 規格ではアニュラリングの最小値が定められていますが、これらの値をさらに小さくすることも可能です。これらの値がその水準に設定されている理由は、ドリルブレイクアウトを防ぐためです。ドリルブレイクアウトは、複数の製造パラメーター(穴の位置、穴のサイズ、フィルムの膨張など)が互いに不利に作用することで発生し、接続されている銅配線を切断する位置に穴が開いてしまう現象です。必要なパッドやビアにティアドロップを適用することで、ドリルブレイクアウトを抑制できます。ティアドロップ処理(filletingまたはtaperingとも呼ばれます)とは、パッド/ビアと接続配線の接合部にランド領域を追加する処理です。詳細は、ティアドロップの定義を参照してください。 |
| ランドより大きい穴 | パッド/ビアの形状が穴よりも小さいレイヤー上に接続がある場合、そのパッドやビアは最小アニュラリングルールの違反として検出されます。たとえば、Propertiesパネルでパッド/ビアの形状を手動設定した場合などが該当します。 |
| ルールの適用 | オンラインDRCおよびバッチDRC。 |
鋭角
このルールでは、同一ネット内のオブジェクト間で許容される最小角度を指定します。鋭角ルールはネットに対してのみ機能し、1つのネット内のオブジェクトによって形成されるすべての鋭角を検出します。このルールは基本的に、ネット内のすべてのプリミティブ(同一レイヤー上)から輪郭を作成し、その輪郭を解析して、鋭角の制限値より小さい角度を形成する可能性のある箇所を調べます。
制約
鋭角の制約
| デフォルトルール | 必須ではありません。 |
| Minimum Angle | 同一ネット内のオブジェクト間で形成される角度の許容最小値を指定します。 |
| Check Tracks Only | このオプションを有効にすると、DRCによる鋭角チェックの対象がトラックオブジェクトのみに限定されます。 |
| ルールの適用 | オンラインDRCおよびバッチDRC。 |
穴サイズ
このルールでは、設計内のパッドとビアの最大および最小穴サイズを指定します。穴サイズとは、製造時にパッド/ビアにドリルで開ける穴の直径です。
制約
穴サイズの制約
| デフォルトルール | 必須 |
| Measurement Method | 最小/最大穴サイズの定義に使用する方法を指定します。
|
| Minimum | パッドとビアに許容される最小穴サイズの値です。選択した測定方法に応じて、絶対値(デフォルト = 1mil)またはパッド/ビアのサイズに対する割合(デフォルト = 20%)で表示されます。 |
| Maximum | パッドとビアに許容される最大穴サイズの値です。選択した測定方法に応じて、絶対値(デフォルト = 100mil)またはパッド/ビアのサイズに対する割合(デフォルト = 80%)で表示されます。 |
| ルールの適用 | オンラインDRCおよびバッチDRC。 |
レイヤーペア
このルールでは、使用されているビアタイプが現在定義されているビアタイプと一致していることを確認します。使用されているビアタイプは、基板上のビアとパッドから判定されます。許容されるビアタイプは、Layer Stack ManagerのVia Typesタブで定義します。
制約
レイヤーペアの制約
| デフォルトルール | 必須 |
| Enforce layer pairs settings | チェックを実行するかどうかを指定します。 |
| ルールの適用 | オンラインDRC、バッチDRC、およびインタラクティブ配線中。 |
穴間クリアランス
このルールでは、ドリル穴が製造上の要件に適合しているかをチェックします。有効にすると、同じ位置にある複数のビア/パッドや、互いに重なり合うパッド/ビアの穴を検出します。また、積み重ねたマイクロビアを許可するかどうかを指定するオプションもあります。
制約
穴間クリアランスの制約
| デフォルトルール | 必須 |
| Allow Stacked Micro Vias | このオプションを有効にすると、マイクロビア を積み重ねて配置できます。 |
| Hole To Hole Clearance | 設計内のパッド/ビアの穴のエッジ間に許容される最小クリアランスの値です。 |
| ルールの適用 | オンラインDRCおよびバッチDRC。 |
ソルダーマスクの最小スリバー幅
このルールは、後の工程で製造上の問題を引き起こす可能性のある、ソルダーマスクの細い部分を検出するのに役立ちます。基板全体でソルダーマスクの最小幅を確保するため、任意の2つのソルダーマスク開口部の間隔が、ユーザー指定の最小値以上であることをチェックします。対象には、パッド、ビア、およびソルダーマスクレイヤー上のすべてのプリミティブが含まれます。また、上面と下面を個別にチェックします。
制約
ソルダーマスクの最小スリバー幅の制約
| デフォルトルール | 必須 |
| Minimum Solder Mask Sliver | ソルダーマスクに許容される最小幅を指定します。 |
| ルールの適用 | オンラインDRCおよびバッチDRC。 |
シルクとソルダーマスク間のクリアランス
このルールは、シルクスクリーンのプリミティブと、ソルダーマスクのプリミティブまたは露出した銅箔レイヤーのプリミティブ(ソルダーマスクの開口部から露出したもの)との間のクリアランスをチェックします。 このチェックでは、その距離が制約で指定した値以上であることを確認します。
多くの製造業者は、銅箔パッドだけでなく、マスク開口部に合わせてシルクスクリーンを除去(または「クリップ」)する処理を日常的に行っています。しかし、これによってシルクスクリーンの文字が読めなくなることがあります。DRCでこのような箇所を検出できれば、基板を製造に出す前に、問題のあるシルクスクリーンの文字を修正できます。
制約
シルクとソルダーマスク間のクリアランスの制約
| デフォルトルール | 必須 |
| Clearance Checking Mode | クリアランスのチェックモードを選択します。
|
| Silkscreen To Object Minimum Clearance | 選択したクリアランスのチェックモードに応じて、シルクスクリーンのオブジェクトと、露出した銅箔またはソルダーマスク開口部との間に許容される最小クリアランスを指定します。 |
| ルールの適用 | オンラインDRCおよびバッチDRC。 |
シルク間のクリアランス
このルールは、シルクスクリーンレイヤー上の文字と他のオブジェクトとの間に許容される最小クリアランスを定義します。
制約
シルク間のクリアランスの制約
| デフォルトルール | 必須 |
| Silk Text to Any Silk Object Clearance | 任意の2つのシルクスクリーンオブジェクト間に許容される最小クリアランスを指定します。 |
| ルールの適用 | オンラインDRCおよびバッチDRC。 |
ネットアンテナ
このルールは設計内のネット単位で動作し、端が開放されたトラック/アークのプリミティブ、または端がビアで終わっているトラック/アークで、アンテナを形成するものを検出します。
制約
ネットアンテナの制約
| デフォルトルール | 必須 |
| Net Antennae Tolerance | 端が開放されたトラック/アークのプリミティブ(またはビアで終端するもの)のスタブに許容される最大長です。 |
| ルールの適用 | オンラインDRCおよびバッチDRC。 |
基板外形とのクリアランス
このルールは、製造対象となる設計オブジェクトから基板のエッジまでに許容される最小クリアランスを定義します。オブジェクトとエッジのすべての組み合わせに単一のクリアランス値を指定することも、専用のMinimum Clearance Matrixを使用して組み合わせごとに異なるクリアランスを定義することもできます。「基板外形」と「基板エッジ」は、基板の外縁を表す同義の一般名称です。edgeという用語は、画像の下の表で定義されています。「基板外形とのクリアランス」設計ルールは、電気レイヤーおよびオーバーレイ(シルクスクリーン)レイヤー上のオブジェクトとエッジ間のクリアランスをチェックします。
制約
基板外形クリアランス制約
| デフォルトルール | 不要です。 |
| Minimum Clearance | 必要な最小クリアランス値です。ここに入力した値は、最小クリアランスマトリックスのすべてのセルに反映されます。逆に、マトリックス内の1つ以上のオブジェクトの組み合わせに異なるクリアランス値を入力すると、Minimum Clearance制約はN/Aに変わり、基板全体に単一のクリアランス値が適用されていないことを示します。 |
| Minimum Clearance Matrix | 設計内のさまざまなオブジェクトとエッジの組み合わせについて、クリアランスを細かく調整できます。
|
| クリアランスマトリックスの操作 | マトリックス内のクリアランス値は、次の方法で定義できます。
|
| Outline Edge | 基板の最も外側(外周)のエッジ。 |
| Cavity Edge | ユーザー定義のキャビティのエッジ。 |
| Cutout Edge | ユーザー定義のカットアウトのエッジ。 |
| Split Barrier | 分割線がこのレイヤー上の基板のエッジを定義している場合、このエッジは分割線バリアと呼ばれます。 |
| Split Continuation | このレイヤーが分割線を越えて続いている場合、このエッジは分割線継続部(通過可能な境界)と呼ばれます。 特定の種類のオブジェクトが分割線継続部を横切れるようにするには、クリアランス値をゼロに設定します。ゼロは、その種類のオブジェクトに対して、このレイヤーが連続しており、オブジェクトが分割線を越える(通過する)ことを許可する設定であることを示します。たとえば、この方法を使用すると、配線トラックをあるレイヤースタック領域から別の領域へ引き回すことができます。 |
| ルールの適用 | オンラインDRC、バッチDRC、インタラクティブ配線、および自動配線。 |



















